【悪魔執事と黒い猫】月の愛し子は悪魔執事を救う4 (ページ39)

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第5話【狂気の暴走】ページ39

ﾌﾙｰﾚ「今、ラトに不用意に近づくと殺されちゃうんだ…。」

「ころ…！？」
ﾉｰｳﾞｧ「うぇ…。」

ﾑｰ「ラトさんに…殺される…！？本当ですか？」
ﾛﾉ「まぁ…今のラトさんには『仲間』とかそういうの通じねぇよ。」

「昨日は普通だったのに…。」
ﾌﾙｰﾚ「主様…窓から見える月をご覧ください。」

「月…あっ。」

フルーレに言われた通り、月を見てみると満月だった。

ﾑｰ「今日は綺麗な満月ですね。」
ﾌﾙｰﾚ「ラトは満月が近づくと…情緒が不安定になるというか…おかしくなってしまうんだ。」

ﾑｰ「満月で、人が変わってしまう…ラトさん、不思議な方ですね。」
ﾉｰｳﾞｧ「過去に何かあったの？」
ﾌﾙｰﾚ「それは俺にもわかりません。ただ、『満月』が関係しているのは確かなんですが…。」

ﾑｰ「満月ですか…。」

「そういえば、ジェーナ…大丈夫かな。」
ﾉｰｳﾞｧ「そっか…坊ちゃんもまずいかも。」
ﾛﾉ「そういえば、前から気になってたんですけどその“ジェーナ”って言う人は誰なんですか？」

ﾉｰｳﾞｧ「お嬢の双子の弟。姿そっくりなのに性格全然似ていないの。…お嬢が最初天使狩りを拒んでいたのは坊ちゃんが関わってるから。」
ﾌﾙｰﾚ「なぜ、主様の弟様が？」

ﾉｰｳﾞｧ「坊ちゃんは、人間と天使のハーフ。母親が人間で父親が天使ってこと。」
「「「えっ？！」」」

「そういえば言ってなかったかも…。」
ﾉｰｳﾞｧ「でも、こっちの天使とは違って害加えないし、優しい子だよ。…“奴ら”はそんなこと信じなかったけど。」
「満月になると、姿が天使みたいになるの。普段は光輪も羽根もない、普通の人間と一緒の姿。」

ﾛﾉ「害を加えず…」
ﾌﾙｰﾚ「優しい…」
ﾑｰ「天使…。」

やっぱりみんな、あの天使しかイメージがなくて混乱している。

ﾉｰｳﾞｧ「容姿はこんな感じ！」

そう言ってノーヴァが私の髪を弄る。
簡単にひとつ結びにして「うわ、本当にそっくり！」という。

ﾌﾙｰﾚ「な、なるほど？」
ﾛﾉ「でもやっぱり、考えられないな。」

それから少しの間、私とノーヴァでジェーナについて話した。どれも懐かしい記憶ばかりで楽しかった。