【悪魔執事と黒い猫】月の愛し子は悪魔執事を救う4 (ページ32)

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第1話【古の塔へ】ページ32

感謝祭の翌日…。
私は、昨日のことで頭がいっぱいになり、あまり食欲がなかった。

「ごめんロノ…今日はあまり食欲がなくて…。」
ﾛﾉ「全然大丈夫です！もしかして、具合悪いですか？」
「うーん…まぁ、そんな感じかな。」

バスティンと同室のロノになら話してもいいのか…でもバスティンは最近ロノを避けているし…どうしようか…。

考えているとドアをノックする音が聞こえる。

ﾑｰ「おや？誰か来たみたいですね。」

ﾍﾞﾘｱﾝ「失礼致します。」
「あっ…ベリアン。」
ﾍﾞﾘｱﾝ「主様、朝食をお召し上がりになられたのですね。おくつろぎのところ申し訳ありません。実は主様にお話がありまして…。」

「何かあったの？」
ﾍﾞﾘｱﾝ「今朝グロバナー家の本邸から手紙が届いて…主様宛に新しい依頼が来ました。」
「グロバナー家からの新しい依頼…？」

ﾛﾉ「前にも説明したかもしれないんですが…この屋敷を管理しているのは、グロバナー家っていう貴族で…オレたち悪魔執事はそのグロバナー家に雇われているんです。だから定期的にこうして依頼が届くんですよ。」

ﾑｰ「依頼って天使狩りのことですか？」
ﾛﾉ「まぁ色々だな。天使狩りから、昨日の感謝祭の準備とか雑用っぽいことまでされる。」
ﾑｰ「皆さん、かなりこき使われているんですね。」

ﾛﾉ「だから、オレはグロバナー家の貴族が嫌いなんだ。あいつらいっつも偉そうに命令ばっかしてくるからな。」
ﾍﾞﾘｱﾝ「グロバナー家の貴族の中には…街の人と同じように私たちが嫌っている人がほとんどなのです。」
「やっぱりグロバナー家の貴族と仲が悪いの？」

ﾍﾞﾘｱﾝ「彼らは私たちのことを『道具』としか思っていませんからね。」
ﾛﾉ「中には、陰湿な嫌がらせをしてくる貴族もいるからな。」
ﾑｰ「そこまで執事さんを嫌っているのに…ちゃんと住む場所を与えてくれるですね。」
ﾍﾞﾘｱﾝ「『道具としての利用価値があるから無下にはできない。』ただそれだけですよ。」

本当に意味がわからない…。

「道具扱いなんて…許せない…。」
ﾍﾞﾘｱﾝ「まぁ、ここまで言っておいて何ですが…グロバナー家の中にも良くしてくれる人はいますけどね。」
ﾛﾉ「良い奴らなんて、本当にごくわずかだけどな！今度嫌がらせしてきたら、オレが懲らしめてやる！」