【悪魔執事と黒い猫】月の愛し子は悪魔執事を救う4 (ページ28)

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第11話【闇の理由】ページ28

ﾍﾞﾘｱﾝ「美しい花束も…髪飾りも…すべて妹さんへのプレゼントだったんですね。」

すると、足音が聞こえてくる。

ﾌｪﾈｽ「ハウレス…今年もここに来てたんだね。」
ﾊｳﾚｽ「フェネス…お前…。」
ﾌｪﾈｽ「はい…これ…。」
ﾊｳﾚｽ「これは…ハンカチ…。」
ﾌｪﾈｽ「涙を拭きなよ…。」
ﾊｳﾚｽ「…悪いな。」

ハウレスはフェネスからハンカチを受け取り、涙を拭う。

ﾌｪﾈｽ「いえいえ…ハウレスはハンカチを持ち歩くような几帳面な性格じゃないからね。」

ﾊｳﾚｽ「ふっ…まさか、俺もまだ涙が出るとは思わなかったんだよ。もう随分前に乗り越えたと思ったんだがな。俺もまだまだ弱い。鍛錬が足りないってことだな。」

ﾌｪﾈｽ「ハウレス…別に泣いてもいいんじゃないの？ハウレスは少し自分に厳しすぎるよ。ちょっとぐらい…弱いところがあったっていいんじゃない？」

ﾊｳﾚｽ「俺は弱い部分が少しでもあるのが嫌なんだ。お前も俺の性格を知ってるだろ？」
ﾌｪﾈｽ「それはそうだけどさ…あまり完璧主義すぎると、いつかパンクしちゃうよ？」
ﾊｳﾚｽ「ふっ…まぁその時はお前が代わりにリーダーをやってくれ。」

ﾌｪﾈｽ「はぁ？俺がハウレスの代わりは無理でしょ？若い執事はみんなキミを頼りにしてるんだから。」
ﾊｳﾚｽ「冗談だよ、冗談。フェネスはリーダーキャラじゃないもんな。」

ﾌｪﾈｽ「そうそう。俺はリーダーをフォローするぐらいがちょうどいい役割さ。これからも頼りにしているよ、ハウレス。」
ﾊｳﾚｽ「まぁ…やれるところまで…やってみせるさ。」