【悪魔執事と黒い猫】月の愛し子は悪魔執事を救う4 (ページ11)

今日:1 hit、昨日:22 hit、合計:1,740 hit

第2話【お手製ベリーパイ】ページ11

ﾛﾉ「ほ〜ら！いらっしゃ〜い！ロノお手製のベリーパイはいかが〜！」
ﾉｰｳﾞｧ「美味いよ美味いよぉ〜！さぁさ、買ってらっしゃい！」

女性「去年もあんたのベリーパイは美味しかったからね。３つちょうだいな。」
ﾛﾉ「おぅ！お姉さんありがとうな！３つで30ゼニーだ！だけど…嬉しいこと言ってくれるから一つおまけしといてやったぜ！」

女性「気前のいいお兄さんだね。ありがとうね。」
ﾛﾉ「毎度あり〜。お姉さんの友達にも宣伝よろしくな〜。」
ﾉｰｳﾞｧ「ありがとうございましたぁ〜！！」

ﾛﾉ「はぁ〜。それにしてもめちゃくちゃ忙しいぜ。1人でパイも焼かないといけないし…接客はノーヴァさんが手伝ってくれてるけど…。」
ﾉｰｳﾞｧ「こういうのも得意の内だからね！さぁさぁ、どんどん焼いちゃいな！」

ノーヴァ…すごいノリノリだな。
そんな2人の元に子供が黙って立っていた。

子供「……。」
ﾉｰｳﾞｧ「いらっしゃい！おつかいか何か？」

ノーヴァは子供と目線を合わせるためにしゃがむ。

子供「いい匂い、美味しそう…。」
ﾛﾉ「当たり前だろ？そこらの店のベリーパイとは比べ物にならない美味しさだぜ！」

子供「いいなぁ、食べたいなぁ…だけど…。」
ﾉｰｳﾞｧ「どうしたん？」
子供「今お金が3ゼニーしかなくて…。」
ﾛﾉ「3ゼニー？それじゃあ足りねぇな。母ちゃんに小遣いもらって来るんだな。」

すると子供は俯く。
まさかこの子…。

子供「……お母さんは…いないんだ…。」
ﾛﾉ「いないって…お前、もしかして『キハラの街』の子か？」
子供「え！？どうしてわかったの？」

ﾉｰｳﾞｧ「ロノはグロバナー家の執事だからね、何でもお見通しなのさ！」
子供「そうなんだ…すごいな執事さんって…天使も倒しちゃうし、美味しいパイも焼けるんだもん。」

ﾛﾉ「ほら坊主、これ食えよ。」

するとロノは子供にベリーパイを渡す。

子供「これ…ベリーパイ？で、でも…僕、お金持ってないけど…。」
ﾉｰｳﾞｧ「オレらだけの秘密だよ。」
子供「だ、だけど…。」

ﾛﾉ「ガキのくせに気にすんなって。それに後輩に優しくすんのは先輩の義務だ。」
子供「えっ？先輩って？」
ﾉｰｳﾞｧ「細かいことはいいじゃん！早くしないと冷めちゃうぞ！」
子供「わ、わかった！あ、ありがとう、お兄ちゃんたち！」

子供は去っていく。