【悪魔執事と黒い猫】月の愛し子は悪魔執事を救う2 (ページ6)

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第12話【暴力の行使】ページ6

私たちは、路地裏の倉庫に連れて行かれた。

A「はぁ…全く手間取らせやがって。」

ｱﾓﾝ「あんたら…。何のつもりでこんなことを…。もし主様に何かしたらどうなるか分かってんだろうな？」
「アモン…あまり刺激しない方が…」

今は助けも呼べない…。だから相手に刺激してしまったら…。

ｱﾓﾝ「大丈夫っすよ、主様…。とにかく、オレの後ろに隠れていてください。オレが守りますから。」

私は、倒れてしまったスピカを後ろへと隠す。
…血が出ている。早く処置しないと…。

C「えらく威勢のいいガキだな…。」
ｱﾓﾝ「あんたらの目的は何すか？何のためにこんなことを…。」
D「俺たちは全員、天使によって家族を失ったんだ。お前たち執事がしっかりしていれば俺たちは家族を失うことはなかったんだよ！」

ｱﾓﾝ「やっぱりそういうことっすか…。家族を失ったのは残念っすけど…。オレたちだって万能じゃないんす。全ての天使を完璧に狩るなんて不可能っす…。」
C「うるせぇ！言い訳すんな！お前たちがもっと必死に天使を討伐していればよかったんだ！」

アモンはまた殴られてしまう。

ｱﾓﾝ「グハッ！」
ﾑｰ「アモンさん！」
「やめて！暴力を振るったって何も起きやしないじゃない！」

するとアモンは、私に言う。

ｱﾓﾝ「さ、下がっていてください…主様。あ…危ないっす…。」
ﾑｰ「ア、アモンさん…。これ以上は本当に危険ですよ…。」

A「おら！くらえ！」

ｱﾓﾝ「ぐっ…」

アモンは苦しそうに膝をついた。

「…いい加減にして…。

あなたたち人間は、本当に愚かよ！

自分が助けてもらっているにも関わらず、こうしてみんなを守ってくれているアモンを…悪魔執事を傷つけるなんて！

自分たちはなにもできないくせして、都合のいい時だけ利用するなんて、最低よ！」

A「あぁ…？あんたは何者だ？なぜ悪魔執事を庇おうとするんだ？」
「…私は、悪魔執事たちの主よ…。」

A「はっ？なんでだよ…」

すると、男は私の想像していた反応とは違った。

A「悪魔執事の主は、“とっくにいなくなったはずだろ”？」
「えっ…？」

B「10年ほど前に死んだって聞いたが…聞いた話によれば確か、男だって聞いたが…。」

10年前は…ちょうどジェーナが虐げられなくなった日…。

B「とにかく、執事どもの主人ってことは…。あんたにも責任があるってことだよな？」
「…」

本当に、憎たらしい。