【悪魔執事と黒い猫】月の愛し子は悪魔執事を救う2 (ページ48)

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第32話【無駄な心遣い】ページ48

ﾎﾞｽｷ「もちろん、俺も無理に聞くつもりはねぇよ…。人には触れられたくないことの１つや２つ、あるからな。」
「そう…だよな…。」

ﾎﾞｽｷ「ところでノーヴァ…。さっき見たことは、他の執事や主様には秘密にしておいてくれないか？

あれは…。あいつにとって、1番見られたくないことのはずだからな…。」

「そのつもりだよ。」

オレは笑ってみせた。
きっと、上手くは笑えていないと思うが…。

ﾎﾞｽｷ「心遣い感謝する、ノーヴァ…。」

ボスキも、本当に仲間想いなんだな。
普通だったら、無理にでも『話してみろ、仲間だろ！？』と責めるだろうに。

ﾎﾞｽｷ「おっと、そういえば…。お茶は出したのに菓子は出してなかったな。

えーっと…。」

ボスキは何かを取り出そうとしている。

ﾉｰｳﾞｧ「あれれ？ボスキサーン？それってハウレスクンの荷物じゃな〜い？」
ﾎﾞｽｷ「あった、これだ…。ほら、ノーヴァ。」

オレはボスキからクッキーをもらう。

ﾎﾞｽｷ「このクッキー、美味いんだ。ノーヴァも一個食ってみろよ。」
「うまそーだけど、普通に泥棒じゃない〜？」

ﾎﾞｽｷ「あぁ…あいつ意外と甘党なんだ。だから、よく焼き菓子とか買ってきてて…。」
「食っていいの？これ。」

ﾎﾞｽｷ「それは気にしなくてもいい。俺は、いつも勝手にあいつの菓子を食べるからな…。」
「オレとスピカやん。」

実はオレとスピカは、お互いの大切なものとか普通にとっては食べてる。まぁ、スピカはオレのしか食わないけど。

「ハウレスは怒らんの？」
ﾎﾞｽｷ「まぁ、そこそこ怒るな…。けど、それがどうかしたのか？」
「うげー…後で面倒いやつやん…遠慮しとくわ。今日はそんな体力ないし…。」
ﾎﾞｽｷ「そ、そうか…。じゃあ、ハーブティーのおかわりでも…。」

すると、ボスキはハーブティーをこぼした。

ﾎﾞｽｷ「あちっ…！手がズレて…ハーブティーが足に…！」
「大丈夫そ？」
ﾎﾞｽｷ「ったく、使えねぇ手だな…。」
「冷やすもん持ってくるか？」
ﾎﾞｽｷ「少し熱かっただけだから大丈夫だ…。」

オレはふとこう言う。

「その右手さ…義手だよな？大変そうだな…風呂とか。」
ﾎﾞｽｷ「まぁ…。義手にもだいぶ慣れたけどな…。」
「…その右手と右手の怪我はどうしたんだ？」

ﾎﾞｽｷ「あぁ…これか…。これは昔ハウレスと…。」

ボスキの話を聞こうとしたら、お嬢たちの声が聞こえてきた。それに結構時間も経っている。