【悪魔執事と黒い猫】月の愛し子は悪魔執事を救う2 (ページ37)

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第26話【数千年前の絵画】ページ37

ﾌｪﾈｽ「この絵は今から数千年前に描かれたと言われています。」
ﾑｰ「数千年前！？そ、そんなに古いんですか！」

ﾌｪﾈｽ「この頃の人々は、天使に怯えて暮らしていたようです。

当時…。人々は、魔導服なしで天使と戦っていたらしく…。

一体の天使を倒すのに、多くの人が犠牲になっていたらしいです。」

ﾑｰ「そうだったんですね…。早く天使たちがいなくなればいいんですけどね…。」
「…」

ﾌｪﾈｽ「戦いなんて、俺は嫌いです。」
「平和が1番、だけど…。」

…もしもジェーナがこの世界にいたら…きっとあの天使たちと間違えられて…そのまま…。

そんなの、嫌だな…。

あの子は人を消そうだなんて考えてないだろうし…今までずっと人に虐げられてきたことを我慢してきたのに、

それが水の泡のように消えていくなんて…。

きっと、あの子も望んでない…私だってそうなると思うし…。

ﾑｰ「主様？」
「あっ、ごめん…」

いつの間にか考え事で結構な時間が経っていたらしい。

ﾊｳﾚｽ「ふぅ…。ありがとう、フェネス。もう休憩は十分だ。」
ﾑｰ「あっ！噂をすれば帰ってきましたね！」
ﾊｳﾚｽ「俺の噂？」
「何を話していたの？」
ﾑｰ「あれっ？聞いていなかったんですか？」
ﾌｪﾈｽ「ちょうどキミの悪い噂を主様に教えていたところだよ。」
ﾊｳﾚｽ「なっ！俺の悪い噂だと？」

「考え事をしていたせいで、聞いてなかった…。

…よければ後で教えて。」

ﾊｳﾚｽ「主様！？」
ﾑｰ「わかりました！」

ﾌｪﾈｽ「って…冗談だよ、冗談。」
ﾊｳﾚｽ「フェネス、変な冗談を言うなよ。」

そんなたわいのない話をしていると…。

ガシャン！と何かが割れる音がする。

男「こいつ！！！いきなり何をする！！」

ﾊｳﾚｽ「！？い、一体何だ？」