【悪魔執事と黒い猫】月の愛し子は悪魔執事を救う2 (ページ15)

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私は部屋へと戻る。

ムーとノーヴァは、アモンやスピカが心配で様子を見に行った。

本当は私も見に行きたかったけど、「お嬢は部屋で休んでおいて！大丈夫、後でどんな様子かはちゃんと言うから。」と言われて、部屋へと強制的に行かされた。

「…ジェーナ。」

あの子について、少し語ろうと思う。

これは、およそ11年前…。

？「うわぁ〜ん！！」
「ジェーナ！大丈夫？」

この頃からジェーナは、みんなに嫌われていた。

ｼﾞｪｰﾅ「…熱いよぉ。」

ジェーナの背中を見ると、そこには痛々しい火傷が…。

「…酷い、誰にされたの？」
ｼﾞｪｰﾅ「…カリーナに…。」
「また、カリーナ？」

カリーナとは、当時同じ学校に通っていた同級生だ。

カリーナは可愛らしい見た目で、友達がたくさんいた…表向きは。

性格は本当にどうしようもない。

この頃にジェーナを傷つけたのだって、ジェーナが天使だからだけではない。

ジェーナが自分よりも可愛らしく、愛嬌があるからだとかふざけた理由でだ。

だから、可愛いよりもかっこいい容姿である兄2人はよく標的になっていた。(当の本人たちは興味なし)
本当にどうしようもない。

カリーナには、双子の弟と歳が離れた妹が居た。
どちらも私やジェーナに懐いていた。

ｼﾞｪｰﾅ「僕やだ！

みんなが僕を「忌み子」だって言うんだよ、

僕はただ、人とは少し違うだけなのに…。」

本当に、可哀想で仕方ない。
ジェーナは、特に悪いことをしていない。

ｼﾞｪｰﾅ「いつか僕、ジャパンに行くのが夢！

ジャパンは差別やいじめについては、対処してくれるんでしょ？

なら僕は絶対ジャパンに行く！

…お姉ちゃんもきてくれる？」

私の返答はもちろん…

「どこまででも一緒だよ。」

その返事を聞くとジェーナはたくさんジャンプする。これがジェーナ流の喜びの舞だ。

ｼﾞｪｰﾅ「約束だよ！」
「うん。」

この時の私は予想していなかった…。

ジャパンもとい日本へ行くのがまさか、1年後だったなんて…。