56 ページ6
※早く書きたいところがあるので色々省略して短くなってます
※解説文が多くなります
春高宮城予選当日。
条善寺高校との一回戦目を2-0で勝利し、二回戦に進んだ。
相手は和久谷南高校。
正直宮城の高校のことはあまり詳しく知らないけど、“小さな巨人”と呼ばれた選手がいたことは知ってる。あの姿をテレビで見たときは本当に驚いたものだ。
この高校にはその人物とよく似たプレースタイルをもつ、三年の中島猛がいるらしい。
第一セット目。俺はベンチから見ていた。悔しいけどいい勝負をしている。
リードは烏野。ラストボールを龍が必死に返す。
ナイスレシーブ、と叫ぼうとした。その瞬間、息が止まる。
大地さんと龍が凄まじい勢いで衝突した。多分頭と肩の辺り…だろうか。
「大地さん！」「澤村！！」
『っ…大地さんっ…！！』
会場がざわめきだす。大地さんは倒れたまま唸り、衝撃の大きさを物語っている。
駆け寄り意識の確認をする。問題がなかったのはよかったが、医務室に行って安全を確認する必要があった。
この盤面での主将不在。正直痛いな。龍に怪我がなかったのは不幸中の幸いだった。
大地さんの代わりには力が入った。
緊張しているのが目に見える。一番に声をかけたのは月島だった。
「あ、やっぱり緑下さんなんですね」
きっと、特に深い意味があるのではないだろう言葉。
ありがとう、月島。その言葉が欲しかった。
『力いけぇ！俺の分まで行ってこい！！』
「いや、鈴鳴もすぐ出るだろ…」
『そういうことじゃなくてさ、この仕事はお前じゃないと務まんないよ』
行って来い！と背中を強く叩く。バシッと気持ちいい音がなった。
「イダッ！」
力は自分で思っているよりも、しっかり“キャプテン”してるんだよ。
コートに入っていく力に、ふと大地さんの姿が重なって見えた。
ああ、最高にかっこいい。
主将が抜けたあとのセットも月島のブロックや日向影山の速攻で点を決める。今年の一年は本当に頼もしい。
俺も出たい。早く試合に出たい。
手に自然に力がこもる。次の試合が待ちきれない。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 548人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あなくま | 作成日時：2023年7月2日 15時
