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体育館の方から、あざっした！！と元気な挨拶が聞こえる。もう練習が終わったのか。意外と早かったな。
『そろそろきますかね』
「そうだね。焼き始めよっか」
ぞろぞろと出てくる人の前を、更に勢いよく飛び出してくる姿。
日向や灰羽…リエーフ？くん。山本くんに木兎さん。
『お疲れ様です』
「あ！鈴鳴さん！」
「体調もういいのか！？」
『はい、おかげさまで。あんま肉は食べませんけどね』
バシバシと背中を叩かれる。ほんと木兎さんは手加減を知らないのか。
いたいいたい！と騒いでいたら、赤葦くんが木兎さんを回収して言ってくれた。
そんなこんなで始まったバーベーキュー。
あんまり食べれないので、孤爪くんやツッキーのいる方へと向かう。
『やっほ、俺も混ぜてよ』
「えぇ…」
『そんな露骨に嫌がんなくても…はじめましてだよね、孤爪研磨くん。鈴鳴Aです』
「あ、うん、ドウモ…」
急に話を振ったからか、驚いてちょっと冷や汗をかいている。
研磨でいいよ、と言ってくれたので、遠慮なく呼ばせてもらうことにした。
肉と別に先生が焼いてくれた野菜をちまちまと食べる。味が薄くて食べやすい。
…あ、このピーマン美味しい。
「おーい白和城、体調どうだ？まだあんまり動くんじゃないぞ」
「もっと食え肉を！だからそんなに細いんだぞ！」
『いや、まだそんな…』
「ほら研磨！ツッキー逃げんな！」
「おーいずーなり！生きてるか！？」
『いやっ…ちょっと死にそう…』
「えぇっ！？」
もうわらわらと人が集まってきて会話が成り立たない。誰かたすけて…
「木兎さん、鈴鳴が困ってますよ」
『あがあじくんっ…！！』
君だけだよ俺を気遣ってくれるの。めっちゃおにぎり食べてるけど。
なんとかオカンたちをおいはらったあと、水を取ろうとテーブルへ向かう。
そこで日向と木兎さん、黒尾さんが三本指のエースについて話しているのを聞いた。
牛島、桐生、そして佐久早。
“佐久早”という名前を、こっちに来てから初めて聞いた気がする。
黒尾さんも東京だから、やっぱり聞く機会が多いんだろう。
ふと、臣のことを思い出す。時々メールしてるけど、電話は一回もしてないなあ。
だからって今更するのも不思議な感じするし、今はいっか。
次会うときは春高で、かな。
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作者名：あなくま | 作成日時：2023年7月2日 15時
