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それから、泣いていないこと、悲しいのに泣けないこと、周りの方が泣いていることに違和感覚えていることを、全部話してみた。




おれたちはまだ12歳だから、そんな難しい話に答えが出るか分からなかったけど、気づいたら話していた。




話し終えると臣は黙って、少し考えているようだった。
…やっぱり、難しかったかな。


ごめん、こんな話して、と言おうとしたとき、臣が口を開いた。



「…Aはいつも泣こうと思って泣いてんの?」

『え、いや…なんか勝手に涙が出てくるけど…』

「じゃあ、いいんじゃない」




臣が言っていることの意味が分からず、首を傾げる。



『どういうこと?』

「悲しいときって、泣こうと思って泣くもんじゃないでしょ。いつ悲しむとか、いつ泣くとか、できるときにすればいいし、


それがいつでも、Aのお母さんも冬弥さんもずっと待っててくれるよ



…だから、今じゃなくてもいいんじゃない」




『…今じゃなくてもいい…』




その12歳の臣が語ったことに、何故かひどく納得してしまった。

昔から“好き”と“楽しい”の違いについて聞いたときもそうだったけど、臣の言葉はなんとなく、そうかも、と思わせてしまう力があるのだろうか。



『…うん、そうかも』


こんな話をしているのに、ふふ、と笑ってしまう。



『いつかわかるかな、泣けない理由…』

「まあ、Aだし、なんとかなるんじゃない」

『適当だなぁ…あ、元也きた!』
















それからはあまり泣けないことを気にすることは減ったし、中学校に入ってからは部活で忙しくて、いちいち考える時間がなかった。



俺は元也と臣と一緒にバレー部に入った。



臣はスパイクだけでなくレシーブやサーブも極めて、どんどん強くなった。



元也はリベロとしての実力が認められていて、いくつか賞も取っていた。



俺はというと、小学生の頃に憧れた兄の姿に近づきたい一心で、今もスパイクの練習をしていた。



臣は手首の柔らかさを活かして様々なコースを打ち分けるけど、そんな力は俺にはなかった。


それなら、俺は高く飛んで吹き飛ばすくらい打ってやる、と考えて、毎日毎日トレーニングに勤しんでいた。






元々うちの中学校は強豪で、2年生のときに大会で優勝したり、他に良い結果を残したりしたので、井闥山学院高校からの推薦をもらっていた。






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あなくま(プロフ) - あっびーさん» ありがとうございます!気まぐれ更新ではありますが頑張ります!澤村さん直してきますすみません (7月3日 6時) (レス) id: 995ed5925a (このIDを非表示/違反報告)
あっびー - コメン卜失礼します!話とてもおもしろかったです!がんばってください!あと澤村が沢村になっていました (7月2日 15時) (レス) @page5 id: 9335c42a96 (このIDを非表示/違反報告)
あなくま(プロフ) - 怜央さん» ほんとですね…教えていただきありがとうございます!実は前にも消えちゃってたのでまた同じようなことがあるかもしれません…気をつけます! (2022年10月14日 20時) (レス) id: 995ed5925a (このIDを非表示/違反報告)
怜央(プロフ) - コメント失礼します!36話が消えちゃってますよ〜! (2022年10月14日 20時) (レス) id: 8acdf4d0f3 (このIDを非表示/違反報告)
あなくま(プロフ) - ありがとうございます!できるだけ早く更新できるように頑張ります! (2022年10月13日 16時) (レス) id: 995ed5925a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あなくま | 作成日時:2022年9月24日 14時

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