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｢…と、山本！ 終わったよ？｣
『っえ、』
名前を呼ばれてはっと顔をあげる。
『はあ…よかった…』
｢怖がりすぎだよ笑 もうこんな時間だし明日も仕事だし、寝ようか｣
そう言われて時計を見ると十二時近くになっていた。
伊沢さんが毛布を引っ張りだす。
｢俺はソファで寝るから、ベッドで寝て良いよ。 あ、下にコンセントもあるから｣
『あ、ありがとうございます…』
怖い。早く忘れたい。寝てしまおう…
もそもそと布団に潜り込む。
しん、とした空気に体がぶるっと震える。
側に伊沢さんがいるけど、静かだし暗いし色々想像してしまう。
ダメだとわかってる。でも、いきなり何か出てきたら…物音がしたら…
『っ…』
耐えられずじわ、と涙が浮かぶ。
ゲームなんかで泣くなんて、情けなくなる。
顔を埋めて小さく丸まる。
いやだ…伊沢さんっ…
涙が一粒、横に流れる。
『っ…いざわ、さん…』
izw side
ゲームが終わって、静かに布団に入っていた。
怖がらせ過ぎたかな…山本震えてたし…
もんもんと頭のなかで考えていると、横からかすれた声が聞こえた。
｢いざわ、さんっ…｣
『山本…？』
小さくて弱々しい声に、不安になって体を起こす。
ベッドを覗けば、元々小柄な山本がさらに小さく丸まって泣いていた。
『や、山本！？』
｢っ…いや、こわ、い…｣
途切れながら聞こえた声に、先ほどの考えがよみがえる。
やっぱり、やり過ぎたようだった。
『ここにいるよ、山本。 大丈夫。 やっぱり怖かった？』
｢はいっ…ごめんなさい…｣
『俺もごめんね、ホラー系のゲーム、苦手だって知らなくて。
一緒にいるから大丈夫だよ』
ぐすぐすと謝られる。だけど悪いのは俺の方だ。
｢うぅ…怖いのは、本当に昔からダメで…クイズノックの企画でホラー画像見たときも、伊沢さんの影に隠れてたし…｣
色々大変だったんだなあ。
よしよし、と頭を撫でれば、恥ずかしそうにしてたけど少し落ち着いたみたいだった。
｢あの、伊沢さん…｣
ためらうような、小さな声で呼ばれる。
｢そのまま手、繋いでおいてもらえませんか…？｣
驚いて口を開けたまま固まる。
かわいい後輩の珍しいお願いが少し嬉しくて、微笑みを浮かべる。
『もちろん。 寝るまで一緒にいるよ』
ふっと力が抜けて、山本が目を閉じる。
安心したように眠りについたのを見て、ゆっくりと俺も夢の中に落ちていった。
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ENSAN(プロフ) - わらびさん» わらびさん、ありがとうございます！今回もそう言っていただけて光栄です！わらびさんのリクエストをいただいたあと、他の方からリクエストを二ついただいたのでそちらも今月中に更新する予定です。そちらもご覧いただけると、作者が嬉しくなって受験頑張れます！！笑 (2020年10月10日 23時) (
レス) id: 08a3edfd2d (このIDを非表示/違反報告)
ENSAN(プロフ) - 緋歌梨さん» 大変申し訳ありません、誤字です。埃でした。ご指摘ありがとうございます、もし他にもなにか気になるところや間違いがありましたら、コメントで教えていただけるとありがたいです。 (2020年10月10日 23時) (レス) id: 08a3edfd2d (このIDを非表示/違反報告)
わらび - 今回もとても好きな作品でした！いつもありがとうございます！私も怖いのダメで、この作品のymmtさんみたいになっちゃうこともあるので、すごく共感できました笑 再開したらまた来ますね！受験頑張ってきてください！！ (2020年10月10日 22時) (レス) id: ad68367863 (このIDを非表示/違反報告)
緋歌梨(プロフ) - “誇り”を被った……？“埃”を被るんじゃなくて………？ (2020年10月10日 22時) (レス) id: ef32365840 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：天崎 | 作成日時：2020年10月5日 19時
