・ ページ16
sgi side
福良さんをベッドに運ぶと、すぐに眠りについてしまった。改めてみれば相当隈も濃く顔色も悪い。
何でここまで無理をしすぎてしまうのか…ふぅ、とため息をつき伊沢の方を向く。
同じことを考えているだろう彼は、不安と怒りの混ざった複雑な表情をしていた。
ぽん、と肩に手をのせる。
『お説教は福良さんが起きて大分楽になってからにしよう。 みんな心配だから、きっと分かってくれるよ』
そういえばどこか安心した顔で、そうですね、と笑顔を見せた。
fkr side
どれぐらい時間がたったのだろう。長い眠りから目を覚ました。
『ん…』
時計が指すのは午後八時。そんなに寝てたのか…まずい、仕事…と思ってゆっくり起き上がると、隣の影が動いた。
「どこ行くつもり?」
『伊沢…ごめん、倒れて…仕事終わってないのに…』
明らかに空気が重い。俺がそう謝ると、伊沢はさらに顔を暗くした。
「仕事なんて今はどうでもいいから。 何で、こんな倒れるまで仕事して休まなかったの」
『…ごめん』
心配と怒りが混ざった声に、素直に謝った。
『みんなちゃんとやってるのに、俺だけ休むわけにはいかないと思って…』
正直にそう答える。
体調を崩しているのには気づいていたし、このまま放置すれば悪化することも知っていた。
だけど、無視して続けた。
みんなにおいていかれる気がして、自分のことなんて考えてなかった。
長い沈黙の末、はあ、とため息をついて伊沢が口を開く。
「本当に心配した…次こんなことになったら、強制的に一週間休ませるから」
『うん。 本当にごめん。 ありがとう』
本当にごめんなさい。
ぺこり、と頭を下げて謝った。本当に申し訳なかった。自分の心配もするべきだった。
何より、彼らを心配させてしまったのことを一番悔いている。
もうこんなことはしない。
その思いが伝わったのか、伊沢はすぐに笑顔を取り戻した。
「福良さん、いつもはママだけど今日は子供みたいだな」
須貝さんが笑いながら言う。
こんな彼らが母親だったら、毎日野菜食べなさいって怒られるんだろうなあ。
いちごパフェ様さんリクエストありがとうございました!
うまくかけたでしょうか…須貝さんが口調迷子になった気もしますが…
良ければ高評価、コメント等々、よろしくお願いします!
九月十五日 天崎
123人がお気に入り
「QuizKnock」関連の作品
この作品が参加のイベント ( イベント作成 )
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ENSAN(プロフ) - みーさん» リクエストありがとうございます!二つもいただけるとは、本当に嬉しいです!まだ色々たまっていて消化が追い付いていませんが、必ず書かせていただきます! (2020年10月4日 23時) (レス) id: 08a3edfd2d (このIDを非表示/違反報告)
みー - 色々リクエストしちゃってすみません!受験勉強で大変だと思うので、時間がある時で大丈夫です!どのお話も素敵だなと思うので、これからも自分のペースで頑張ってください!楽しみにしています! (2020年10月4日 12時) (レス) id: b9cec3c8e4 (このIDを非表示/違反報告)
みー - があると嬉しいです。無理のない程度で徐々に距離を縮めていき最終的には元の生活を少しずつ取り返し始めたような話がみたいです。看病役はなるべくみんなが出てほしいですがメインは特に指定ないです。 (2020年10月4日 11時) (レス) id: b9cec3c8e4 (このIDを非表示/違反報告)
みー - 2つ目に男性恐怖症に陥る話がみたいです。きっかけは夜道で襲われたなど何でもいいです。頑張って事務所に行っても初めはメンバーを見ると(悪い人じゃないと頭では分かっていても)恐怖で発作や震えを起こして疲れ果て、周りの皆も救えずどうすればいいか悩む描写 (2020年10月4日 11時) (レス) id: b9cec3c8e4 (このIDを非表示/違反報告)
みー - 1つ目にwtnbくんが嘔吐恐怖症に陥る話がみたいです!人前だと吐きたくても吐けなくて辛くて泣いちゃう描写と苦しそうにしてる彼の為に無理やり吐かせて助けてあげる描写があると嬉しいです。看病役はizwさん希望です! (2020年10月4日 11時) (レス) id: b9cec3c8e4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:天崎 | 作成日時:2020年9月10日 22時