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メルティ [緑×赤] ページ2

「海人、荷物ほら貸して!」


照れ隠しで海人が持ってるビニール袋をひったくった。


「いいよ海斗、俺持つよ。」

「払ってくれたんだから、俺が持つんだよ!」


返事を聞かずにさっさと歩き出した俺に、海人もすぐ着いてきた。
隣に並んだ海人の横顔をチラッと見上げれば、笑顔だったから一緒にいる時間を海人が楽しんでくれたなら嬉しいな、なんて星空の下、二人肩並べて歩いてることに心踊らせている自分がいた。


+++++


「お邪魔しまーす!」


海人の家に着いて、元気に挨拶した俺に、海人は

『そこは、ただいまでいいんじゃない?』

なんて言うから、

「まだそのネタ引っ張るのかよッ!」

って、じゃれ合って笑い合って。
恋人でありながら、すぐに同級生のノリになったり、メンバーの関係になったりできるところが、俺が海人といて心地いいと思う瞬間だ。


買ってきたものを必要最低限テーブルに並べて、残りは冷蔵庫に入れておこうかな。


「海人ー、冷蔵庫開けるよー。」

「んー」


やっぱ親しき仲にも礼儀ありっしょ。
一応確認してみたら、部屋着にでも着替えてるのか、くぐもった海人の返事が聞こえた。

家主の了解も得たことで、冷蔵庫を開けた俺が見たものは、並べて冷やされているビールだった。


「あれ???」


『ビール切らしてた』

って海人言ってなかったっけ?


「あー・・・見つかっちゃった?」


ラフな格好に着替えた海人がキッチンに入ってきた。


「ほんとはさ、コレ買いたかったんだよね。」


後ろから抱き寄せられて、目の前には小さな紙袋があった。


「なにこれ?」

「ゴム」

「なッッッ/////」


瞬時に理解して、またもや赤面させられた。


「だって今日使うよね?」

「確認すんなよッ!」

「スマートじゃなくてゴメンね。まぁ、ほらせっかく色々買ってきたんだし、まずは飲もうよ。」

「え、あ・・・うん。」


実はこのままなだれ込んでしまうんじゃないかと身構えたけど、海人の提案は予想外で正直肩透かしを食らった気分だった。


海人に手を引かれてリビングに着いて、缶ビールを一本差し出される。

正直なところ内心バクバクで、平然とビール開けてる海人が何考えてるのか分からなくて、緊張したままだったけど、悟られたくなくて必死で平静を装った。

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作者名:麦穂 | 作成日時:2022年11月12日 1時

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