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「……まだ生きてるんですか二人とも」
また後ろから声がした。
振り向かなくてもだれかわかる。
「天使って意外と暇なんだな、アルト」
「うるさいですね、一日目終了しました、とこれだけ伝えに来たんですよ」
本当にそれだけらしく、すぐに羽を広げて飛んで行こうとする。
「早くどっちか死んでくださいね。ずっと言ってますけど、私達も忙しいんです」
アルトはそのままどこかに飛んで行った。
「うるせーっ!!この性悪天使!!」
そんな晴人の叫び声は聞こえたか否か。
アルトはそのまま見えないところまで飛んで行ってしまった。
「……あー、くそっ」
晴人はゴロッとその場に寝っころがる。
「……この中ではもう一日たったんだな」
向こうでは大した時間もたっていないと知りながら、少し心配する。
いや、俺が不安になってるんだ。
母親と父親はどうしてるだろうか。
妹は、俺が事故にあったの知って泣いてるんだろうか。
……帰りたい。
でも、晴人と約束したから。二人で帰ると。
俺に背中を向けたままの晴人。
きっとあいつのことだから俺の前では平気にふるまってても、心の中ではいろいろ考えてるんだろう。
「ハァ……」
俺は心の中の悩みをため息で濁した。
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akka(プロフ) - 楓希さん» ありがとうございます! (2014年3月15日 23時) (レス) id: 5dd99b923e (このIDを非表示/違反報告)
楓希(プロフ) - 超感動した!! これ、超おもしろい!! (2014年3月15日 21時) (レス) id: 8cdd2af978 (このIDを非表示/違反報告)
akka(プロフ) - このみさん» ありがとーwいや、分けたらなくなるw頑張る♪ (2014年1月27日 20時) (レス) id: 5dd99b923e (このIDを非表示/違反報告)
このみ(プロフ) - お久しぶりー(^^)/めっちゃ面白かった!なにこの文才は!?ちょっと分けてww更新がんばれ♪ (2014年1月27日 18時) (レス) id: ac51844268 (このIDを非表示/違反報告)
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