二度と明日が来ない二人の話

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晴人が倒れてから一時間。

まだ目を覚まさない。

俺はハァ、と小さくため息をつくと途方に暮れたように空を眺めた。

いや、実際途方に暮れているのだが。

「途方に暮れてるあなたに朗報です」

アルトが突如天から降りてくる。

「……なんだよ」

「あ、あなたたちにとっては悲報ですね」

「はぁ？」

「まぁまぁ、そう怒らない怒らな〜い」

スマイルスマイル、なんて言いながら笑顔を見せるアルト。

こんな状況で笑えるやつがいたらそいつは正真正銘のバカだ。

「期限を三日間にさせていただきますっ」

ビシッと俺に向かって人差し指を突き立て高らかに言う。

「……は？」

俺はそんな間抜けな声しか出すことができなかった。

「うんうん、良いですね〜その反応」

こいつ内面悪魔だ。

天使にはふさわしくない。

「内面悪魔でも天使は天使です。問題ありません」

絶対問題があると思う。天界は大丈夫なのだろうか。

「大丈夫じゃないです、忙しいから期限を縮めるんです」

「……心を読むのはやめてくれないか？」

「あら？ぼそぼそと呟いてましたよ？」

「……そうかよ」

「というわけで明日中に死んでくださいねー」

自称天使のアルトは最後にボソッとこれで面倒な仕事が終わると吐き捨てて飛んで行った。

天使にとっては俺らの命を扱うことさえ面倒なのだろうか。

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