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昼休みでも、晴人はついてくる。

「なーなー、祐樹ー」

「……なんだ」

晴人が耳元でギャーギャー騒ぐせいか、段々頭痛がしてきた。

「今日のお昼はどこで食べる?暖かいから屋上?」

「保健室行く……」

フラッと、保健室のほうへ進む。

「え、大丈夫!?俺ついていくよ!!」

「は?なんで」

「俺たち親友じゃん!!」

そう言って俺の自称親友は眩しいほどに笑った。

はぁ、とまたため息をついて手をヒラヒラと振って晴人を追い返そうとする。

「いいよ、親友の手をわずらわせたくない」

「俺がついて行きてーの!」

晴人は俺が具合が悪いと言っているのに、バンバンと背中をたたく。

なんで俺とこいつは仲良くなったのだろうか。

今思い出してもおかしな話だ。

そう、それは高校生活一年目の初日のこと。

晴人は名前順で前の席だった。

「俺、野村晴人!!よろしく!!」

「……長谷川祐樹、よろしく」

その時の晴人の印象はただうるさいな、とそれだけだった。

きっと仲良くすることもないだろうと思ったから素っ気ない態度をとった。

だが晴人は次の日も、そのまた次の日も、俺の後ろを大声で話しながらついてきた。

「なんでお前はついてくるんだ」

「え?なんで?」

「聞いてるのは俺だぞっ」

「なんでって……祐樹が気になったから!」

ウィンク付きで無邪気に言う晴人。

俺はその言葉が何となく嬉しくて、大笑いしてしまった。

それにつられて晴人も笑う。

これが、俺らの出会い。

「祐樹?ボーっとしてるとこけるよ、それとも熱?」

コツン、と晴人はおでこをくっつけてくる。

「やめろ!恥ずかしい!!いいから教室に戻れ!!」

「だーめ。フラフラしてるじゃん」

晴人は俺をそのまま保健室まで引きずって行った。

「はいっ、おとなしく寝ててよ!放課後迎えに来るから」

「あぁ、ありがとうな、晴人」

「これぐらい任せてよ。親友なんだから!!」

大声で親友、という言葉をぶちまけながら、晴人は教室に戻って行った。

まったく、本当にうるさい奴だ。

俺はこれから起こることも全く知らずに、眠りについた。

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作品ジャンル:ファンタジー, オリジナル作品
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akka(プロフ) - 楓希さん» ありがとうございます! (2014年3月15日 23時) (レス) id: 5dd99b923e (このIDを非表示/違反報告)
楓希(プロフ) - 超感動した!! これ、超おもしろい!! (2014年3月15日 21時) (レス) id: 8cdd2af978 (このIDを非表示/違反報告)
akka(プロフ) - このみさん» ありがとーwいや、分けたらなくなるw頑張る♪ (2014年1月27日 20時) (レス) id: 5dd99b923e (このIDを非表示/違反報告)
このみ(プロフ) - お久しぶりー(^^)/めっちゃ面白かった!なにこの文才は!?ちょっと分けてww更新がんばれ♪ (2014年1月27日 18時) (レス) id: ac51844268 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:akka | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2014年1月24日 21時

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