１７話目 ページ18
館に帰る道の途中。
「ねぇ、涼太。これからどうするの？」
何も言わずに後をただただついてきていたAが尋ねた。
「あぁ、これから災害を起こそう。たくさん、ね？協力してくれるよね」
涼太の視線に見つめられると、Aはいつも何も言えなくなる。
「災害って……？何をするの？」
不安と疑問が入り混じった瞳でまた尋ねる。
ここのところのAは質問してばかりだなと涼太は思った。
「大雨を降らせたり、雷を起こしたり。地震とかもかな？」
「ねぇ、それはいったい何のためなの？私は涼太君道具になってどうすればいいの？」
先へと急ごうとする涼太の服の裾を掴み、Aは必死に涼太の意図を知ろうとする。
「……それを知って、どうするの？」
涼太は鋭い視線でAの目を見る。
Aは思わず肩をビクッと震わせた。
「僕に逆らう気かい？今更、親の元に戻るの？『魔女』なのに？仲間外れにされるだけだよ、
それでもいいの？」
涼太は震えるAの肩を強くつかむ。
ぎりぎりとAの方には涼太の爪が食い込む。
段々と、服に血がにじんでくる。
Aは魔女という言葉と、強い口調で質問してくる涼太におびえ、涙をこぼした。
「ごめんなさい……逆らわないから、お願い、離して……」
「うん、それならいいんだ」
涼太はあっさりと笑顔に戻り、Aの手を握る。
その時、Aは知った。
自分を館に縛っているもの、それは涼太の『愛情』なんかじゃなく、
涼太というAにとっての光の影に隠れた『恐怖』と『力』だということを。
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ひか(プロフ) - わああああああ…すっごいゾクゾクした！でもすっごい面白かったです！ (2014年3月7日 17時) (
レス) id: b8125e9bd0 (このIDを非表示/違反報告)
akka(プロフ) - 美久さん» 楽しんでもらえてよかったです！ (2014年3月2日 22時) (レス) id: 5dd99b923e (このIDを非表示/違反報告)
美久 - ホラー話は大好き！楽しい (2014年3月2日 12時) (携帯から) (レス) id: 306c95e2d9 (このIDを非表示/違反報告)
akka(プロフ) - 雷羅さん» じゃあ、頑張ってみます！ｗ (2014年1月27日 20時) (レス) id: 5dd99b923e (このIDを非表示/違反報告)
雷羅(プロフ) - お疲れ様でした！ぜひ、またakkaさんのホラーが読みたいです！ (2014年1月27日 18時) (レス) id: 7abb299694 (このIDを非表示/違反報告)
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