六首目 光のとげき春の日に ページ8
「正直言ってさ、さっきは何割ぐらいで取ってた？」
そう問うと廉は顎に手をあてて難しそうに唸る。
「手抜いてた訳やないよ、むしろ抜き過ぎると取れなくなるから。
でも、まあゆったりはやってたかもな。五割ぐらい」
ピースを作ってニカッと微笑む姿は物凄く眩しく見える。
だって、Bと段位もなければブランクのあるやつだ。勝てると思うのは甚だしい。
なのに、異常に悔しい。
中二の時にダンスで全国優勝逃した時ぐらい悔しい。
いや、これは悔しいという感情ではなく羨ましいという感情だと思う。長く打ち込めるものがあるのが羨ましい。
彼女がいて羨ましいの感情に近いのかもしれない。
そうなのかな？
かるたってそうゆうもんなのかな？
試してみたい。
このままボコボコにされたままで終わりたくない。
俺の心の深層部に光が灯る。
「廉」
「ん？」
「作ろう」
「何を？」
「だからかるた部」
「……マジｯ!?冗談きついて、
あんな興味なかったやん。」
落っこちてしまいそうなぐらい見開かれた瞳が二つそこにできた。
あんなに自分で提案しときながら腰抜かしそうなぐらい驚いてる。
「冗談じゃないって、心変わりした。
やりたい！てかやらせて下さい。」
久々に情熱が沸いて出る。
確かめたくなった。
廉がこんなにもかるたに熱中する理由を、俺がまた
百首と向き合いたくなった理由を。
やった！と感情を露にしなかをらそのまま畳に寝転ぶ廉。
その隣に俺も寝転んだ。
暖かい日光が降り注ぐ春の窓際で、二人は明日担任に話をつけに行く契りを交わした。
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廉はB級三段です。
級制度が変わる前はB級は二段と三段がいて、三位入賞で三段になります。
ようつべで名人、クイーン戦や高校選手権団体戦の動画があるので見ていただけるとイメージがつきやすいです！
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四季(プロフ) - マジックアワーさん» ありがとうございます！ (2022年11月30日 23時) (
レス) id: 10b371ccd5 (このIDを非表示/違反報告)
マジックアワー - 百人一首いいですよね。話の続き楽しみにしてます。 (2022年10月23日 10時) (レス) @page9 id: 461445c92c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：四季 | 作成日時：2022年10月18日 2時
