二十七首目 初日 ページ29
翌日、まだ俺はふわふわしたまま学校に行って、半ば上の空で授業を受けて気づけば放課後を知らせるチャイムを聞いていた。
廉と再びかるたの道に戻る約束をした。
あまりに実感がない。
かるたとの付き合い方は俺にとって人生を考えるのに等しい。
だから、ちゃんと続けるという決断は俺とかるたをより密に戻すものなのに大きさに反して、見える日常の景色は何も変わらない。
きっとこれから界隈に踏み込めば変化があるんだろうけど､兎に角自身は拒絶してないってことらしい。
「おーい、神宮寺！」
部活に行く人たちの波に逆らうように岸くんが教室後ろドアに手を掛けながら俺を呼ぶ。
「LINE見たか？」
「LINE？LINEがどうしたの？」
「いいから直ぐ見ろって！
早く行かねーとやべぇぞ！」
支度途中なんだけどなぁ。
そう思いながらポケットのスマホから緑のアイコンをタップした。
おそらく岸くんが言ってるのは部のグループだろう。
廉〈職員室に鍵取りに行ってる。
俺より部室に着くの遅かったやつ全員百チャレ×３な〉
はっ？
こいつ百枚チャレンジって言ったか？
百枚チャレンジ、ひたすら百枚を一定のスピードで払い続ける、いわば野球の素振り百回みたいなもの。
玄人であればあるほど速さばかりではなく、一回一回正しい構えに戻ること、自らが目指す払方を百回全てで出すことが求められる。
要約するとキツいので敬遠したいということだ。
ローファーをそこそこに引っ掛け、帰宅途中の生徒を掻き分け部室まで走ると、あと一歩廉が鍵を開けているところだった。
「余裕でアウトやな」
「初日から最悪」
こうゆう発案者はスパルタと相場が決まってる。
結局、俺よりも後に来た紫耀と罰ゲームをこなした。
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四季(プロフ) - マジックアワーさん» ありがとうございます！ (2022年11月30日 23時) (
レス) id: 10b371ccd5 (このIDを非表示/違反報告)
マジックアワー - 百人一首いいですよね。話の続き楽しみにしてます。 (2022年10月23日 10時) (レス) @page9 id: 461445c92c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：四季 | 作成日時：2022年10月18日 2時
