九首目 噂の ページ11
岸くんが加入したところで依然として人数が足りない現状は変わらない。
もう、いっそのことクラスメイトに名前だけでも貸してほしいと頼み込む強行に出る寸前だ。
「ういっす、廉と紫耀いる？」
D組は先にHRが終わったらしい。
岸くんが前方ドアからズカズカと教室に入ってきた。
「岸くんお腹空いた」
「俺も、七限の体育はきついよな。」
それより今の現状どうすんねん。
そう思いながらも男子高校生の空腹には耐えられず小腹を満たしながら話し合うことに決めた。
午後四時、赤茶のレンガ調のオシャレな校舎と、それなりの大学ぐらい広いキャンパスに背を向けた。
行き先はうちの学生がよくたむろしてるちょっと派手なたこ焼き屋。
日頃から人が絶えない街にあって、そのメイン街の一画に店を構える店先立ち食い式の店。
人気の理由は安くて旨い。
俺的には小綺麗なのもポイント高い。
「旨いなここの」
「だろ、この時間は部活民がいなくて割かし空いてんだ。」
そう言いながら口一杯に頬張る岸くん。
「で、どうしようか」
そう話始めておきながら、もう話がどう教師を欺くかにシフトしつつある。
「そういえば、お前ら以外にも話題の一年がいるらしいぜ。」
と急に岸くんが話を変えた。
そもそも俺らって話題やったん？
「話題ってどうゆうことなん？」
「平野、永瀬話題のイケメン新入生。
女子がよく見に教室に来ないか？」
言われてみれば…
紫耀もよくよく考えれば思い当たるふしがあるようだが、どちらかといえば眉間に皺を寄せて怪訝な顔をした。
「何でも、私立中出身だと。それも殆どがエスカレーターで高等部に行くようなとこらしい。
確か、慶皇大付属って聞いたような…」
「やばっ！めっちゃ頭良いとこじゃん。」
「確かにうち都立やからあんまり無いパターンやな。」
しかし、かるた部とその一年何が関係あるというのか。
「あぁ知名度作戦ってこと？」
紫耀はいかにも悪どくよく分からない作戦名を口にした。
「学校で名が知れてる人がうちに入ってくれたら、芋づる式？だっけ、釣られて入って来るだろうってことでしょ？」
「顔が良ければ尚更な。」
通じ合えたことがよっぽど気分が良かったんだろう、二人は串に刺したたこ焼きをグラスのように合わせた。
その時だ、
全速力で翔る人影が横切ったのは。
「すみませんｯ!」
「むぐっ！？」
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四季(プロフ) - マジックアワーさん» ありがとうございます！ (2022年11月30日 23時) (
レス) id: 10b371ccd5 (このIDを非表示/違反報告)
マジックアワー - 百人一首いいですよね。話の続き楽しみにしてます。 (2022年10月23日 10時) (レス) @page9 id: 461445c92c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：四季 | 作成日時：2022年10月18日 2時
