★SWEET DESTINY★

何も知らずに（あなた） ページ7

〜東京〜


「A、オレたち別れない？」


――――――え？


「限界だよ。Aは朝から晩まで仕事仕事で･･･会いたいときに会えないの、もうしんどくてさ･･･」


なに･･･それ･･････

・
・


始まりは
『パティシエって女の子らしくていいよね』
･･･からで


付き合い始めてほどなく


「Aって意外とサバサバしてるよな？そういうとこもいいけど」

「仕事がんばってるAが好きだよ」

そんな言葉をうのみにして、応援されてるって信じてた


･･･でも、ここ最近は

「なあ、仕事とオレとどっちが大事？」
なんて、こぼれだす不満


私にとってパティシエは
子供のころからの憧れで

日本に来て必死で努力して、やっとつかんだ夢

夢中になるのが、そんなにおかしい？


自分を否定されたみたいで―――――悲しかった


それでも･･･やっぱり好きだから

バレンタイン前の忙しい中 徹夜でケーキをこしらえて

埋め合わせしよう！って張り切ってたのに･･･


・
・


彼氏のその言葉を聞いた瞬間に


ピシリ、と――――――


心が音を立てた


さっきまでのドキドキが嘘のように


ス―――････ッと


色あせていくのを感じる


A「･･･わかった」


あ･･･


私の声・・・震えてる


ダメ…


泣いちゃダメ

・
・

彼氏「････やっぱな」


A「え？」


彼氏「結局、オレより仕事を取るんだよな？」

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