9 手当 ページ9
し「入って」
白濱さんに案内されて部屋の中に入る
白濱さんはお風呂場に私を連れていくと丁寧に膝を洗い流してくれた
『いっ…』
し「ちょっと我慢して。すぐ終わるけーね」
その後消毒をして絆創膏をはってくれる
し「何があったか話す気になったら話して」
白濱さんにそう言われたけど何から話していいかわからなくて視線を彷徨わせた
し「今じゃなくてえーよ。話せるようになったらで良い」
『…はい』
普通に考えて白濱さんが私をいつまでも家に置くなんてことはない
だから何とかしなくちゃいけないんだけど
私、仕事してないし…
『…あの、しばらくの間、私をここにおいてください…』
し「…」
『私にできることは何だってします。お願いです』
し「…ええよ」
白濱さんは呆れたような顔で私から視線を切った
し「その前に一緒に来て」
白濱さんは立ち上がって玄関に向かう
どこかへ出かけるのかもしれない
『私も、ですか?』
し「君が居なきゃ意味がないやん」
白濱さんの言うとおりにして着いたのはあるお店
そこには何人ものお客さんが
か「?!A!!」
がたいの良い男の人が私と目が合った途端叫ぶ
びくりと肩が揺れ私は後方に隠れた
し「え、この子からすくんが話してた子?」
彼は「からすくん」らしい
か「せやで!どこで会うたん?てか実在したんやなぁ」
し「道でばったり。てかゆーちんは?」
か「ゆーま君ならタバコ吸うとるよ」
し「わかった」
白濱さんはお店の奥に入っていってしまう
か「Aさん、やろ?俺あのゲームめちゃくちゃはまってるんよ」
からすさんは私の方に近づいてきてそう言った
『え、あ、あの…』
か「俺カラス。からす、でもかーくん、でも何でもええで」
『…は、い…』
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作者名:暇な洋介 | 作成日時:2020年10月23日 17時