You will be dropped[SHIRAHAN] (ページ6)

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別の家に移動して私たちの生活が改めて始まった

不自由はないしとても快適でいつも通りの生活

はるくんが出社した朝

掃除のため、リビングを片付けていると茶封筒が落ちてきた

中身が少しだけ出て別に興味もなかったから何気なく手に取りしまう

予定だった

だけど私は中の書類を抜き呆気にとられる

だってそこには、私の写真が貼られていたから

『「リアル恋愛ゲーム「You will be dropped」」…？』

私が可愛い服を着てこちらを見上げている

『「本物の恋の感覚が味わえて、キャラクターがリアルなのが魅力」…』

どうやらゲームの企画書らしい

理解できずそのまま立ち尽くしていると突然ドアが音をたてて開いた

は「…」

『は、るく、ん…』

息を切らし、膝に手を当てるはるくんは私を上目遣いで見る

は「それ、見たよね…」

私の手元を指してそう言った

『ご、めん…でも…』

は「いや、Aが謝ることじゃない。
俺、無許可でAの顔使って、ゲーム作った…ごめん…」

『…だ、大丈夫！はるくんの仕事の手伝いはしたいし、私の事は気にしないで！』

は「…ありがとう…。俺、仕事戻るわ」

『うん』

はるくんはにっこり笑って出ていった

少しびっくりしたせいかまだ心臓がどきどき言ってる

そういえば、はるくんは何で帰ってきたんだろう？

用事があったのかもしれないけど…帰ったら聞こう

私は掃除を再開した

『はるくん、何で一回帰ってきたの？』

は「いや、ちょっと忘れ物があっただけ」

『そうなんだ、気を付けてね』

は「ありがとうなｗ」

はるくんは私の頭を撫でて自室に消えていった

私は「You will be dropped」というゲームについて調べてみる

全国で今話題の恋愛ゲームでギャルゲ、という分類がされるらしい

相当難易度が高く男女問わずこのゲームにはまる人が続出し

一時は3次元の恋の妨げになる、とか言われたらしい

実際に恋に落ちる人も多く、「Aの彼氏」というハッシュタグも存在した

だから私、あんな風に人を集めてしまったんだ

はるくんはそれをわかって…

そう気づくと私はなんて馬鹿なことをしたんだろうと思う

私のためを思ってしてくれたはるくんの忠告を破るなんて…

自分がゲームに使われていたことより

はるくんの忠告を破ってしまったことの方が私の心を占めた

『ごめんね、はるくん…』