You will be dropped[SHIRAHAN] (ページ27)

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SHIRAHANside

Aが買ってきてくれた晩飯の材料を片付けていると袋の底に四角いものが

ワインレッドのそれはスマホだった

見慣れないスマホカバー

俺のでも他の三人でもスタッフでもない

隅に金色で刺繍された「Haru」の文字

はるくんとやらのスマホだろうか

でもなぜAが…？

不審に思いそれをしばらく眺めているとAが風呂から出た

『ありがとうございます、さっぱりしました。
……白濱さん、何持ってるんですか？』

俺の手元を覗き込む

し「これ、誰の？」

敢えて誰、とは特定せずに聞いてみる

『あ！！私のスマホ！！！』

し「え？」

目を見開きその後嬉しそうに顔を綻ばせる

『…その袋の中に入ってたんですか？』

し「うん」

『じゃあはるくんが入れてくれたのかな。
優しい…そのために私に近づいたのかも…。
このカバー、私の誕生日にはるくんがオーダーメイドでプレゼントしてくれたんです。
それからずっと使ってて』

し「「Haru」って入ってるけど」

『はるくんが「俺が仕事に行ってても寂しくない様に」っていれてくれたんです。
はるくんのスマホカバーは青色で私の名前が同じように入ってるんです』

はるくんの話をするAはとても嬉しそう

でも俺は凄く腹が立った

名前入りのスマホにキスマーク

その両方が俺への当てつけだと悟ったから

何処かでAが男と暮らしている事を知ったのだろう

それで自分の存在を、Aにとっての自分を見せつけたかったんだ

本当に質が悪い