オベリア帝国の長女 3

第119話 ページ23

今日はルーカスが世界樹を探しに行く日だって言うのに、ルーカスの態度は相変わらず憎たらしい


ルーカスが居なくなるのが寂しいって思った私が馬鹿みたいに思えてきた





アタナシア「本当に今日行っちゃうの？」


ルーカス「まぁな」






そんなに時間がかかるものなのかな
世界樹を探しに行くのって

......なんだか少し不安





ルーカス「俺が居なくなって妹の魔力暴走があるんじゃないかって不安なんだろ
あとお前の頭痛」


A「バ、バレた、？」


ルーカス「分かりやすいんだよ、ほら」





そういうとルーカスは私とアーティの額に指を2本当てて魔力補正をした



これで不安もなくなると思ったのに




A「(なんでこんなに心細いんだろう....
ルーカスがいなくなったら....なにか不吉なことが起きそう)」



ほんと分からないけど そんな気がした




ルーカス「お前マジで俺の事好きなんだな」


A「なわけないじゃない
....友達が遠出するって言うのに、心配しない子がどこにいるのよ」


ルーカス「....」




A「....何、その顔」


アタナシア「友達ってそんなに違和感あるかな？」


A「ないはず」







多分このアホ魔法使い
友達いなかったんだな



A「可哀想」


ルーカス「うっせ！もう行く

念押しで行っとくが、妹の方！！！クロとくっつきすぎんな。馬と鳥で遊んどけ

そしてお前！！魔力暴走なんて起こすはずはないと思うが、一応シロとはあんま遊ぶな！
あと！パパと妹をちゃんと見とくこと！」





話す隙を与えず、シュンッと魔法で部屋から消えてしまった


.....呆気ない




アタナシア「バカルーカスがいなくなったから空気が美味しい」


A「そんなこと言わないの〜」










＿＿＿＿＿



その頃、ルーカスは世界樹を探すため、人が通れない空間にいた



友達という言葉を聞いて思い浮かんだ灰色の髪をした人物

もう死人だ 考える必要も無い








それにしてもあの妹の魔力暴走も心配だ
かなり強めに補正しておいたから大丈夫だとは思うけど


そして次に思い浮かんだ人物はA

無意識下で魔力調節をできる稀な存在


.....が、それを成し得ているのは心の支えとなっているパパと妹がいるから


家族の絆ってやつ？




＿＿＿＿まぁ、暴走が起きるトリガーは万一にもないだろ

第120話→←第118話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す