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紡side
miss you…が終わり、サァ…と雨の音が聞こえる。
外は晴れて満天の星空。
だからこの音は自然のものではない。
この音はスピーカーから聞こえている。
すると突然、ドサッと音がして九条さんが舞台の上で膝から崩れ落ちる。
両手を床につき、表情は見えない。
｢…天にぃ……？｣
隣から陸さんの心配そうな声が聞こえてくる。
ファンの人たちも一層ざわめく。
私たちも心配になって見守る中、ゆっくりと九条さんに歩み寄る如月さん。
｢どこに行ったの…。A……｣
｢…！！｣
一瞬でざわついていた会場を静まり返らせた九条さんの弱々しい声。
その声に一瞬、反応したが…そっと九条さんに手を差し伸べる如月さん。
九条さんがその手をとって立ち上がると、より一層雨の音が強くなり、ぱっと消える。
｢急に暗い雲が｣
｢空を覆ってく｣
｢天気予報なんて｣
｢アテにならない 予想なんてできないものがある｣
｢それは それは｣
｢｢恋の雨｣｣
鳥肌が立った。
演出もそうだが、一芝居入れた後のMEZZO"の雨。
2人は綺麗な声で歌詞一つ一つに思いを込めて歌う。
｢Ah こんなにも近くにいても 遠く感じてしまうから｣
その歌詞を歌いながら、如月さんは九条さんを見つめる。
その目は…恋をしている目。そんな気がした。
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作成日時：2018年11月10日 23時
