今キミはどこにいますか。~真実と偽装~【九条天】 (ページ36)

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紡side

｢俺たち2人とも、この曲を歌うことによって想いを伝えたい相手がいるんだ｣

｢え…！｣

｢ボクは…想いを伝える前に相手が姿を消してしまったから……この大きなライブでなら届くかもしれないって思って…｣

｢…！｣

環さんがその言葉に反応する。

｢俺は…この前の事故で、記憶がないから詳しくは覚えてないんだけど……すごく大切な人がいたんだ。その人に…訳あって会えないから、このライブでその人に気持ちを届けたいんだ｣

｢…！｣

壮五さんが如月さんの言葉に反応する。

｢社長…｣

2人は社長の方を振り返る。

難しい顔をしていた社長は、二人を交互に見て一度目を閉じ、また目を開くとふっと笑った。

｢判断はMEZZO"の君たちに任せるよ。これはもう…君たちの歌だしね…｣

｢｢…。｣｣

2人は黙り込みお互いの顔を見合わせた後、頷き合い、ゆっくりと如月さんと九条さんの方を見た。