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あるとside
そうこうしているうちに、弥生くんと神無月くんが片嶋さんと共にやってきた。
｢暖汰先輩！｣
｢暖汰！｣
2人は駆け寄ってくるなり、Aに抱きついた。
｢…りつ…き？と…直央…｣
｢…！覚えてるんすね……！｣
｢…？覚えてるも何も……あ！仕事が……。年末のブラックホワイトって……どうなった……？｣
仕事のことを少しは覚えていたAがそう聞くと、3人は苦い顔をしながらも答えた。
｢一応…Mid nightでエントリーされてはいるっすけど……｣
｢その体で出るつもりか…？｣
神無月くんがそう聞くと、頷いたA。
｢あぁ……2週間以上も寝てたらしいじゃねぇか。取り返さねぇと……｣
Aがそう言うと、3人は不安そうにAを見つめ口を開いた。
｢無理しないでほしいっす！それで倒れたんじゃ元も子もないっすよ！｣
｢大丈夫！倒れねぇよ！｣
｢好きで倒れるやつはいねぇぞ…｣
｢そうだけど……｣
Aは眉根を寄せて俯いてしまった。
しばらくしてぱっと顔を上げると、ゆっくり喋り始めた。
｢頼む……無理はしない範囲で精一杯やるから、出させてくれ…｣
2人の顔を見て、だんだん意識がはっきりしてきたのか、先ほどよりハキハキ喋り始めたA。
｢……頼む…｣
そう言ってAは2人に頭を下げた。
2人は困ったように顔を見合わせたあと、頷き合うとAに向き直った。
｢先輩、顔上げてください｣
｢絶対、無理はしないって約束してくれ。心配するな。普段カバーしてもらってる分、今回はお前のフォローは俺達がするから｣
｢先輩は…今できることを精一杯やり切ってください。オレ達もファンの人達に失望されないように全力で頑張るっすから。｣
｢……二人とも…ありがとう…。俺、精一杯頑張るよ……｣
そう言って3人は笑い合った。
少し離れて片嶋さんがその光景を微笑ましげに見つめていた。
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作成日時：2018年11月10日 23時
