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あるとside
しばしの沈黙。
やがて弥生くんが口を開いた。
｢正直、暖汰先輩が女だったってのはビックリしたっす。でも、薄々気づいてたんすよ。オレも、直央さんも。
何か隠してることがあるんだろうなってくらいしか分からなかったオレ達には、あの人に聞くことも支えてあげることも出来なかったっす。｣
弥生くんを見つめ、黙って話を聞く。
｢オレは……あの人が女だろうと男だろうと関係ないっす。オレ達は、3人でMid nightっす。暖汰先輩が欠けても、直央さんが欠けても…それはMid nightじゃないっす。
暖汰先輩がセンターに立って、オレ達が後ろから支えて、初めてMid nightなんすよ。
だから…あの人が女だろうと男だろうと、オレ達は避けたりしないっす。
オレにとって憧れの人には変わらないっす。｣
｢…！｣
その言葉を聞いて、私は心に熱いものが込み上げてきた。
目からは涙がポロポロと落ち、頬を濡らしていく。
｢だから…あるとさん。……いえ、暖汰のお姉さん。俺達に任せてくれませんか？彼を…暖汰をまた笑顔にしてみせます。絶対、傷つけないって約束します｣
神無月くんはそう言うと、お願いします。と言って弥生くんと一緒に頭を下げた。
｢僕からも…お願いします……｣
二人を見て、マネージャーの片嶋さんも頭を下げる。
｢……分かり…ました……。私には…あの子しかいないんです。両親は…もう事故で亡くなっています。だから…傷つけた時は……容赦しません。それでもいいですか…？｣
｢｢｢はい。｣｣｣
その返事を聞いて、嬉しいような…寂しいような気持ちになる。
しばらく全員が黙り込み、手術室のランプだけを見つめていた。
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作成日時：2018年11月10日 23時
