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暖汰side
俺はぎゅっと目をつぶる環のほっぺを両方つまむと、横に引っ張った。
｢いひゃい！ひーちゃんやめへ！！｣
｢何言ってるか聞こえないな〜｣
｢ひーちゃん！！｣
環が怒り出したから手を離す。
俺は引っ張って少し赤くなってしまった環のほっぺを両手でさする。
｢ごめん環。お前可愛いからつい｣
｢うぅ…ひーちゃん鬼……｣
涙目になってる環がなんだか可哀想になってくる…
｢たぁくん泣いてるの？どしたの？｣
｢おっふ……何か壮五のキャラが違うぞ…｣
｢うわ！そーちゃんこっち来んな！ひーちゃん助けて！｣
｢え？｣
さっきまで人のことを鬼だのなんだの言ってた環が、悲鳴をあげながら俺の背中に隠れる。
｢どした環。お前の相方の壮五だぞ？何かちょっと普段と違うけど｣
｢酔っ払ったそーちゃんは、クソめんどくさいから、やだ｣
｢え、めんどくさい…？｣
そう言われて目の前に座る壮五を見てみる。
顔を真っ赤にした壮五は、普段の大人しさというか気品というか…そういうのがなくなっている。
｢ひーくん、そのおかず、美味しい？｣
壮五は俺がさっき食べていた激辛キムチを指さしてそう聞いてきた。
｢え、あ、あぁ…美味いよ。食うか？｣
｢んふふ…食べる〜｣
あー。と口を開けて待っている壮五。
(え…これ、俺が食べさせんの…？)
俺が箸でさっき食べていた激辛キムチを取っていると…
｢ひーくん！まだぁ？早く食べたい！！｣
｢分かった分かった！待てって！｣
キムチを一口ほど箸で掴むと壮五の口に入れてやる。
もぐもぐと美味しそうに食べる壮五。
｢ふふ…美味しいね〜。ありがと〜ひーくん｣
そう言ってにっこり笑う壮五を見て、俺がダメージを受けたのは言うまでもなかった。
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作成日時：2018年11月10日 23時
