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入学してから数週間が経ち、もう少しで6月。
段々と蒸し暑くなってくる時期。
暑いのがあまり好きではないため、暑いだけでも少しイライラする。
そして今日もあの光景を見せられるのかと思うと、余計にイライラする。
あの光景とは彼女、如月Aと卯ノ田の仲良く話している光景だ。
教室のドアを開ける。
自分の席に向かってゆっくりと歩いていく。
席替えをしたため、彼女とは席が離れた。
でも彼女と卯ノ田は席がまた隣だ。
｢よ！七瀬、おはよ！｣
｢あぁ…与島か……おはよ…｣
小学校から何のかんの仲良くしている与島は席替えでボクの前の席なった。
｢お前いつもテンション低いなあ…笑えよ〜。お前笑った方がいい顔してるぞ？｣
｢はは…男にそんな事言われても全然嬉しくないよ…｣
｢んだよそれ〜！如月に言われれば満足ってか？｣
｢べ、別に…あの子は関係ないでしょ｣
ニヤニヤしている与島の顔を手で明後日の方向へ押しやる。
｢痛てぇ！痛てぇ！何しやがんだよ！！｣
｢ニヤニヤしないで気持ち悪い。｣
｢ひっでぇ……｣
そんなやり取りをしていると彼女と卯ノ田が教室に入ってきた。
｢おはよ！今日もお熱いね〜｣
｢そ、そんなんじゃないよ！ね！卯ノ田くん！｣
｢あはは…｣
一緒に教室に入ってくるなり、すぐにいじられている。
周りのガヤはそういうのが好きなんだろう。
｢えー。お前ら付き合ってんだろ〜？｣
｢っ…！｣
｢おい…七瀬…？｣
｢な、何でもない…｣
｢……。｣
与島はそう言うと黙ってくれた。
こういう時だけは察してくれる奴だ。
｢付き合ってないよ！やめてよ〜｣
そんな会話を呆然と聞き流す。
でもボクは朝から嫌な気持ちでいっぱいだった。
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作成日時：2018年10月21日 23時
