今キミはどこにいますか。~キミとの出会い～【九条天】 (ページ49)

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あれから数ヶ月。
Aは学校を休み続け、もうすぐで冬休みを迎えようとしていた。

街はもうクリスマス一色。
少し遅くになってから家に帰ろうと街を歩くと、あちこちにクリスマスで浮かれたカップルが歩いている。

イルミネーションが綺麗に飾られ、色とりどりの光を放っていた。

そして12月25日、終業式の日。
ボクはいつもより早めに下校した。
服を着替えて、再び外に出る。

今度会ってからじゃ遅くなるだろうけど、彼女に渡すためのクリスマスプレゼントを買いに行くためだ。

かと言って、別に何を買おうか決まっている訳では無い。
何も思い浮かばないので、手当たり次第にいろんな店に入る。

中々しっくりくるものがなく、散々探し回っているとだんだんと辺りが暗くなってくる。
少し焦りながら、とりあえず今日はここを最後にしようと思い、入った店でボクの目を惹くものが、ひとつあった。

瑠璃色の石に、赤色の小さな宝石が埋め込まれている可愛らしいデザインのネックレス。
それは彼女自身をモチーフにしたネックレスに見えた。

ボクは迷わずそれを手に取り、会計を済ませた。

前々からお金を貯めていたおかげで、少し値は張ったが難なく買えた。

綺麗にラッピングされたネックレスをポケットに入れ、そのままコートのポケットに手を突っ込む。
マフラーに顔を埋め、適当にフラフラと夜の街を歩く。

街の中心にある大木には、他の木と比べて豪華な装飾が施されていた。
思わず立ち止まり、その大木を見上げる。

これをAと一緒に見られたらどんなに良かったか。
そんなこと思いながら、ひとりため息をつく。

あの日、ボクは彼女を与島に任せ、何も言わずに帰ってしまった。

もしかしたら怒っているかもしれない。
もしかしたら嫌われたかもしれない。
もしかしたらもう口も利いてくれないかもしれない。

そう思うと彼女に会うのが怖くて、いつでも会いに行けたはずなのに、行けなかった。

｢会いたいな…｣

ひとりボソッと呟く。
その言葉と共に、白い息が虚空に消えていく。

何だか虚しくなったボクは、帰ろうと思い大木から目を離した。

そのときだった。