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それからあっという間に小学校を卒業。
そのままの流れでメンツはほぼ変わらず中学に入学。
中学になり、制服というものが存在するようになった。
窮屈に思いながらもネクタイを締めて、ブレザーに腕を通す。
必要なものがカバンに入っているか確認して家を出る。陸は病院にいるから同じ中学には通えない。
家を出てしばらく歩いていると、見覚えのある後ろ姿。
瑠璃色の髪を靡かせながら前を歩いていた。
彼女も制服を身に纏っている。
少し早歩きをし、彼女に追いつくと黙って横に並ぶ。
｢ぅわっ！…びっくりした……！七瀬くんか…｣
｢おはよ…｣
変な声を出してびっくりした彼女は、｢もう！知らない人かと思ったじゃん！！｣なんて怒りながらも、ボクとペースを合わせて歩いてくれる。
そんな彼女に思わずふっと笑ってしまう。
｢何で笑ってるの！びっくりしたんだよ！！｣
｢ごめんごめん｣
ぷりぷり怒りながらボクの横を歩いている彼女は、今も尚まだ文句をブツブツ言っている。
｢制服｣
｢え？｣
ボクが小さく呟いた声は文句を言っていた彼女の耳に届いたようで、次の言葉を待つようにこちらを見ている。
｢似合ってるね｣
｢へ…｣
｢だから、制服似合ってるって。｣
｢え、あ…｣
別に照れているわけではないようだ。
顔を赤く染めているわけではない。
ただ口を開けてボクの方を見ている。
｢なぁに？聞こえなかったの？制服似合って…｣
｢あぁ！！聞こえてます！大丈夫です！！3回も言わないで……｣
びっくりしていただけみたいだ。
すぐに耳まで真っ赤にして俯いた。
｢顔赤いけど大丈夫？｣
｢…っばか！！｣
彼女はそれだけ言うとボクを置いて走り始めた。
｢は、ちょ、待ってよ！何で走るの！！｣
｢ついて来ないでよ！ばか！！｣
｢ついて来るなって…目的地一緒なんだけど。っていうか…ばかばかって……君ほどじゃないと思うんだけど？｣
｢うるさいばーか！！｣
｢ボキャブラリー貧困だね。可哀想…｣
からかうと彼女はほっぺを膨らまして、怒り始めた。
｢もう知らないからね！！七瀬くんのいじわる！アホ！！｣
｢ばかの次はアホ……どっちがばかなんだか…｣
呆れながらも追いかけっこをする形で学校までの道のりを2人で走る。
出会った頃よりは話すようになったし、彼女もボクの前では素を出しているのか、すぐボクの言葉に突っかかってくる。
それが楽しいと思っている自分がいるのも嘘ではなかった。
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作成日時：2018年10月21日 23時
