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｢来年からいなくなるのは寂しいけど…それが天くんが選んだ道なんだよね。だから私は止めない。むしろ応援する。また何かあったら聞いてよ。いつでも力になるからさ！｣
そう言ってニコッと笑うA。
その笑顔を見て、ここしばらくで一気に凍りついたボクの感情が、溶けるような感覚に襲われる。
それと同時に頬を伝う暖かい雫。
目を見開くA。
ぐにゃぐにゃと歪んで、滲んでいく視界。
ボクが瞬きをする度に零れる涙。
目の前に座っていた彼女がゆっくりと立ち上がり、座っているボクをそっと抱き締めた。
｢大変だったね。もう少し早く声掛けてあげれば良かった……ごめんね。よく頑張ったね…｣
優しい声でそう言いながらボクの頭を撫でてくれる。
ボクは抑えられなくなり、その場で彼女に縋るように泣いた。
Aは落ち着くまでずっとボクのことを抱き締めて、頭を撫でてくれていた。
落ち着いてくるとゆっくりと離れて、落ち着いた？と微笑んでくれた。
Aの行動一つ一つが、今のボクには心に染みるほど優しく感じた。
それと同時に……Aと離れたくないと思った。
それからしばらく、Aはボクの嗚咽が落ち着くまで頭を撫でてくれた。
｢…ご、ごめん……急に取り乱して…｣
｢ううん。すっごく辛かったのによく一人で頑張ったね。気にしなくていいんだよ。また泣きたくなったら私のとこおいで？｣
ね？と言いながらふわっと笑うA。
ボクは黙ったままコクっと頷くと、満足気にニコッと笑い立ち上がるA。
｢帰ろっか！あ、その勉強さ、良かったら私の家でやらない？休みが合えばお姉ちゃんにお願いしてみるよ｣
｢うん…ありがとう……｣
そう言いながらAと一緒に正門を抜ける。
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作成日時：2018年10月21日 23時
