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そして、学校が始まり、授業を受けながら休み時間もがっつり問題集を解いていた。
久々にAが復帰してきていた。
そんなAにデレデレと寄って行く卯ノ田。
前まではそれを見てイライラしていたが、今はそれすら見ている暇がなかった。
そんな日が毎日続き、ある日の放課後、家に帰ると集中出来ないという理由で教室に残って勉強をしていると、誰かが教室に入ってくる足音がした。
ボクは顔を上げる暇も惜しんで勉強にのめり込んでいた。
そんなボクの頬にピタッと冷たいものが当たる。
｢ぅ…わ！！な、何？｣
｢ふふ…お疲れ様｣
顔を上げるとそこにはしばらく話していなかったAが微笑みながら、ボクに飲み物を差し出していた。
ボクはそれを受け取り、蓋を開けて一口飲む。
｢大丈夫？最近すごく勉強してるみたいだけど…｣
｢うん……やらないといけないから…｣
｢ふーん……ん？これ、大学生レベルだね。まぁ天くんなら解けるだろうけど…｣
｢いや…ここ難しくてさ……今引っかかってるとこ｣
｢え、そうなの？ちょっと見せて〜｣
Aはボクから問題集を受け取ると、黙読し始めた。
普通の中学生なら解けない問題だった。
ふんふんと言いながら、ペン貸して？と手を出してきたので、Aの掌にシャーペンを置く。
Aは問題集から目を離さずに、掌に置かれたシャーペンをペン回しのようにくるりと回して持ち替えると、芯を少し出してボクのノートにスラスラと数式を書き始めた。
｢うん。これで合ってるんじゃないかな？｣
ボクは問題集に付属している答えとAがノートに書いた数式を見比べる。
………合っていた。
｢何で解けるの…｣
｢んー…数学好きなんだ。お姉ちゃんが大学で勉強してた時、いろいろ教えて貰ってたんだよね。だから大体は解けるよ｣
お姉ちゃんほどではないけどね。といい苦笑するA。
その問題を少し解説してもらうと、すぐに分かった。
ボクがこんなに勉強している意味。
…つまり、ボクが今家族とどうなったのか。
それを話したらAはすごく怒るだろう。
あれだけ陸を大切に思って、仲良くしていたのだから。
(でも……いつかはバレること…)
そう思ってボクは口を開く。
｢あのね…A……｣
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作成日時：2018年10月21日 23時
