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………否。思考がまとまる。
｢……分かり…ました……。｣
｢ふふ…いい子だ｣
そう言って九条さんはボクの頭を撫でる。
ボクは父さんと母さんと陸の前に立つ。
｢ボクは九条さんについていく。｣
｢っ…！ダメよ天！！｣
｢ダメだ…！行くな！！天！！｣
｢…行かないで！！天にぃ！！｣
3人を置いてボクは九条さんの後ろに付いていく。
玄関まで来た時、陸が後ろから走ってくる。
｢待って！天にぃ行かないで！！天にぃ！！｣
奥の部屋からは母さんの悲鳴に近い泣き声。
それを自分が泣きたいのを我慢して慰める父さんの声。
そして、ボクのことを必死に引き留めようとする陸の叫び声。
いたたまれなくて、そのすべてにボクは耳を塞ぎ、振り返ることなく家を出る。
ボクはそのまま九条さんの車に乗った。
もう何も考えたくなかった。
自分は家族を裏切ったようなものだ。
そこでふと、この前Aが病室で言っていた花の花言葉が頭をよぎる。
あまり縁起のいいものではなかったため、あえてAが言わなかった花言葉だ。
それはこの事態を予測していたような花言葉だった。
Aが言わなかったもうひとつの花言葉は
＿＿＿＿＿＿＿＿＿｢離れゆく愛｣。
Aと陸が仲良く話している光景が……ゆらゆらと崩れて、消えていく。
納得して付いてきたはずなのに、絶望に近い感覚。
これからのボクは……
＿＿＿＿＿＿＿＿＿九条天だ。
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作成日時：2018年10月21日 23時
