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泣きそうになるのを堪えて母さんが持っている重たそうな荷物を代わりに持つ。
｢あれ？弟、退院なのか？｣
｢あ、うん。ごめん与島。せっかく来てくれたのに｣
｢いいっていいって！良かったな！ずっと心配してたもんな！｣
｢…？天にぃの友達？｣
陸が頭にはてなマークを浮かべながらボクに質問してくる。
｢そーそー。天にぃのお友達の与島雷斗だ。よろしくな！陸〜｣
｢よ、与島さん…よろしくお願いします！｣
｢はは！七瀬と双子だっけ？七瀬と違って愛嬌あるな〜｣
｢悪かったね…愛嬌なくて｣
与島特有のあの人懐っこい笑顔で、陸の頭を撫でている。
陸も緊張しているみたいだけど、ニコニコ笑っている。
｢あなたが与島くんね。いつも天と仲良くしてくれてありがとうね｣
｢いえ！俺が逆に仲良くしてもらってるっていうか…一緒にいて楽しいんで！｣
｢あらあら…ありがとうね｣
いろいろと話しながら病院を出た。
ボクはせっかくだから滅多に一緒に帰れない与島と歩いて帰ることにした。
持っていた重たい荷物を車に乗せ、与島の方に戻る。
｢じゃあ、先に帰って待ってるわね｣
｢うん。じゃあ、また後で。｣
陸は車に乗って窓を開ける。
ばいばい天にぃ！と言いながら手を振ってきたから、見えなくなるまで手を振って見送る。
｢お前の弟、可愛いな｣
｢やめてよ…与島に陸はあげないよ｣
｢ばっか！そーいう意味じゃねぇよ！可愛げあるなって意味だよ！｣
｢僕とは正反対だからね｣
｢確かに全然違うな！｣
笑顔で言ってきたことに対して少しイラッとしたので、腹パンを決め込む。
｢それより…如月はいつ頃学校来れるんだ？｣
｢分かんない…。忙しそうだったから｣
｢そっか…ほんと大変そうだよな…｣
｢そうだね…｣
それから他愛もない話をしながら歩き、与島の家の前に着く。
｢んじゃ、また明日な｣
｢うん。じゃあね与島｣
｢おう！｣
ボクは進行方向に向き直ると家へと歩みを進めた。
＿＿＿＿＿＿これから何が起こるか予測もしないで。
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作成日時：2018年10月21日 23時
