18 ページ18
ひとしきり笑い、込み上げてきた涙を人差し指で拭ってAに向き直る。
｢まぁ…元気なら良かった。｣
｢うん。心配させてごめんね？｣
｢ううん。ボクが勝手に心配してただけだし。｣
気にしないで。と笑うと驚いたように目を見開く彼女……のお姉さん。
｢七瀬くん、ほんと可愛いね。これからもAと仲良くしてやって？｣
｢う、うるさいよお姉ちゃん。｣
｢も〜Aってば帰ってきたら七瀬くんの話しかしないんだもん。｣
｢だからやめてってば〜！｣
顔を赤くしながらお姉さんを黙らせようとするA。
｢え…卯ノ田の話とか…してないの…？｣
｢へ？卯ノ田…？んー……入学当初は出てきた名前だな…でも1週間もしないうちに名前でなくなったよ？｣
｢え…｣
｢あーもう！お姉ちゃんこの後収録でしょ！？早く準備しなよ！！｣
｢え〜！私だってもう少し七瀬くんと話した〜い｣
｢だーめ！ほら早く準備して！！毎回マネージャーさん困らせないでよ！！｣
｢むー！Aのケチー！！｣
｢ケチでもなんでもいいから！！｣
ほっぺを膨らますお姉さんは、２階へ追いやられるように階段をのぼっていく。
｢あ、七瀬くん！！またおいでよ！いつでもAの話してあげるよ〜！！｣
｢しなくていい！！｣
ばたん！という音とともにAが降りてくる。
ため息をついてやれやれというように、ソファに座ったA。
｢ごめんね？天くん。騒がしいお姉ちゃんで…｣
｢ううん…何か……似てるね｣
｢え、何が？｣
｢え？お姉さんとAが｣
｢似てないよ！！お姉ちゃんの方が何倍も可愛いじゃん！演技も上手だし、歌だって上手いんだよ！！｣
｢いや…Aも十分歌上手いと思うけど…｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 76人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作成日時：2018年10月21日 23時
