今キミはどこにいますか。~キミとの出会い～【九条天】 (ページ1)

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今日も相も変わらず気怠い一日。

これから新しい生活が始まろうとしているのに、何も感じない。
キミがいなくなったのは3年前。

ボクが唯一、一緒に居て楽しいと思えた人。
ずっと一緒に居たいとさえ思っていた人。

彼女の名前は____如月A。
ボクが通っていた小学校に、6年生の夏休み前、6月下旬に転校してきた女の子だ。

綺麗な瑠璃色の髪に宝石を彷彿とさせるような、紅色の瞳。
透き通るような白い肌に、目立つ桃色の唇。

｢如月Aです。｣

第一印象は人形。
自己紹介が終わり、席に着いた彼女。
彼女の席はボクとは全く反対の場所。
廊下側の窓際、前から4列目のボクに対して、彼女はベランダ側の窓際、前から2列目だ。

そんな席が離れている彼女とは、当然関わることも無く、1ヶ月が過ぎた。
夏休みに入り、さらに関わりがなくなる。
ボクは部活に入っていたわけではなかったから、1ヶ月半、とても暇だった。

そんな暇な日の日中。
気分転換に散歩でもしようと思い、街に出てみるとどこからか聞いたことのある声が聞こえた。

ふと顔を上げ、街中にある大きな画面を見て、ボクは目を疑った。
映っていたんだ＿＿＿＿＿

＿＿＿＿＿＿＿＿＿彼女が。

"～♪"

音楽が流れ、その音に乗せて彼女の歌声が聞こえる。

『1stアルバム君の世界』

彼女の歌は、小学生とは思えないほど上手く、小学生らしくないバラードのような曲だった。

その映像は一瞬だった。
すぐに次のCMが始まり、彼女は映らなくなった。

｢……。｣

ボクはしばらくその場に呆然と立っていた。
転校してきた子がまさか

＿＿＿＿＿芸能人だなんて思いもしなかったから。