幸せを願って六つ ページ8
人虎に夜叉白雪が斬りかかり、人虎は更に深手を負う。
でも、人虎は他の車両に乗る乗客を見ると、不思議な顔をした。
そして、夜叉白雪の前に立った。
その目に、何だか僕は腹が立った。
……真っ直ぐな目しちゃってさ。
「来ないで」
鏡花が云った。
「_____ごめん、もう無理だ」
人虎は夜叉白雪に向かっていく。
だが、精々避けるのが精一杯。
「……芥川が云うから、どんな奴かと思えば」
夜叉白雪が、人虎に斬りかかる。
_______だが、そいつの腕が虎の腕へと変化し、刃を受け止めていた。
僕は驚いた。
そして、人虎は夜叉白雪の攻撃を避け__________
_____鏡花に、その手にある鋭い爪をあてた。
「鏡花!」
僕は叫んだ。鏡花は表情一つ変えなかった。
「終わりだ。この能力を止めて爆弾の場所を教えろ」
人虎は云い放った。
何だよ、何で皆鏡花を傷つけるんだよ。
「私の名は鏡花。35人殺した。一番最初に殺したのは三人家族。
父親と母親と男の子。夜叉が首を掻き切った。
……爆弾の場所は……」
「…此処だよ」
僕はそう云って上の服を一枚脱いだ。
「……なんてことだ」
人虎が声を上げた。僕の体には爆弾。
その瞬間、放送が鳴った。
放送の内容から、何となく梶井がやられたことは分かった。
きっと、探偵社の与謝野晶子とかいう奴だろう。
人虎は僕の方を見た。
僕は笑顔で、爆弾のスイッチを渡す。
「はいどうぞ!」
人虎はそれを受け取ると、起動するボタンを解除ボタンと間違えたようで、起動用のボタンを押した。
その瞬間、びーーっ、びーーっ、と音が響く。
「A!それを外して!」
「爆弾を外せ!」
叫ぶ二人を、僕はどんっ、と押した。
「……外せば命令違反で鏡花の居場所も僕の居場所も無くなる。
そんなの、絶対にダメ。
僕は鏡花の幼馴染。数えきれない程の人を殺した。
でも、鏡花はそれを悲しんでた。
本当は、殺したくなんか無かった。
……もう、これ以上一人だって殺さない」
僕は電車の窓から身を投げた。
鏡花の為なら、僕にはなんだってできました。
自分の命なんか簡単に投げ捨てることが出来ました。
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夜巾恵美(プロフ) - すごくいい話でした!更新待ってます! (2016年12月28日 17時) (レス) id: 8e230ece60 (このIDを非表示/違反報告)
カンナ - 皆さんそんなに言わなくても....わざとやったわけではないんですし。あきしぐれさん、小説続けて頂けないですか?すごくこの小説好きなんです!! (2016年12月26日 16時) (レス) id: 45fe2ce06f (このIDを非表示/違反報告)
葡萄マスカット - そんな追い詰めないでください!私も外し忘れることありましたし!続きが気になりますし…!続けて頂けないでしょうか? (2016年12月22日 18時) (レス) id: 61468344c7 (このIDを非表示/違反報告)
優心(プロフ) - 続きがとても気になります…!読みやすいし面白いので続けてくださると嬉しいです…! (2016年12月22日 18時) (レス) id: a484890e73 (このIDを非表示/違反報告)
鬼血柩(プロフ) - 私も前に外し忘れたことがあるから大丈夫ですよー。(´・ω・`)言われてすぐに外したんだから大丈夫でしょう。 (2016年12月22日 18時) (レス) id: 6d22c5081a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あきしぐれさん | 作成日時:2016年12月17日 20時