僕は泉鏡花の幼馴染【文スト】【男主】

幸せを願って十一つ ページ13

笑いながら、僕は国木田の周辺を異能力で操作し、国木田を囲むように壁をつくる。





爆弾とかがあれば破壊して出られる。



でも、そんなのしたら自分が巻き込まれることくらい目に見えているはずだ。







銃なんかで壊れる訳も無し。




国木田は壁を叩くが、やっぱり無理だよね。






「大丈夫だよ。後で解除しておくから」





僕はそう云って中也と歩き始める。







向かう先はポートマフィア。




あまり時間が経ったわけでも無いのに懐かしく感じる。






無言で歩く中、中也が「あ」と、思い出したように云った。







「お前、戻ったら役職幹部の補佐だから」







「因みに俺の」と、中也が平然と云ってのけた。






「はぁ？可笑しいでしょ！僕元々は只の一介の構成員に過ぎなかったんだよ？！」






「別に良いだろうが。うるっせえな」






「五月蠅くない！中也の方が五月蠅い！」





「…今大声出して怒ったり驚いたりしてるやつは？」





「僕だよ悪かったな！」





「開き直るな」






中也とものすごいスピードで会話していく。






あぁ、そうだよ！僕の方が五月蠅いよ！






何なんだよ、もう……。






「…何だよ、いきなり静かになりやがって」







「……僕、鏡花にすぐ戻るって云ったのに戻れてないや」






「あぁ？別にそんなの良いだろ」






「約束、破ったら可哀想だよ」






「別にそんなの約束なんかじゃねえって……」









「約束破られたら悲しいの、僕が一番分かってるから嫌なんだよ！！」







「…何でそんなにこだわるんだよ」





「僕の兄がそうだった。双子の兄が居たんだ。でも、僕の家じゃ双子は災いの根源。





　だから、本当は何方か劣っている方が死なないといけなかったんだ。






　その時は、僕が殺されるはずだったんだ。でも、両親が僕らを隠した。







　一卵性双生児でね、本当に僕たちの容姿は似ていたんだ。





　だから、交代交代で外に出ていた。





　僕は兄として外に出て、全然バレなかったんだよ。





その時、兄と約束したんだよ。






　僕たちは二人で一つ。ずっと一緒だって。






　でも、僕はその約束を破って、高いビルの上から投身自 殺を図ったんだ。







　なのにさ、結果的には兄が死んで僕は生きていたんだよ。






　笑っちゃうよね。







　自分で約束破っときながら、兄を殺すなんてさ！」

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