【ツイステ × 文スト】魔人の双子の妹は異世界へ飛ばされたようです《3》

Merry bad END �� ページ36

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フェーヂャに抱かれたまま私達の屋敷へと足を踏み入れると、あの世界に行く前と何ら変わらない景色が広がっていた。


ゴンチャロフが優しく出迎えてくれて、異空間から上半身だけを出したゴーゴリくんが私たちを驚かせる。



「お久し振りにございます、妹様。お元気そうで何よりです」

「ええ、会えて嬉しいですよ。ゴンチャロフ」

「身に余る光栄です」



フェーヂャは笑みを絶やさぬまま、私の部屋へ直行した。

部屋の中も埃一つ無く、本当にあの世界のことが夢だったのではないかと錯覚する程だ。



私はそのままベッドに下ろされ、フェーヂャも傍にあった椅子に腰掛けた。



「………フェーヂャ、異世界の異能者は今何処へ？」

「あの男は以前と同じ場所にいらっしゃいますよ」

「行ってきても宜しいですか？」

「おやおや。此の天気の中行くのです？」

「？………あ、」


フェーヂャがクイと窓を顎で指すと、何時降り始めたのか、硝子を雨音が激しく叩いていた。時々ゴロゴロと地響きのような雷鳴が聞こえる。


「………明日、行きます」

「ええ。其れをお勧めしますよ」



フェーヂャはにっこりと効果音が着くように微笑んだ。其れからそうそう、と話を切りかえた。



「此れからの事なのですが、Aの意見をお聞きしたいのです」

「はい」

「露西亜へ帰りますか？其れとも、此の儘ヨコハマで活動を続けますか？」



母国(露西亜)か、此の土地か。

私は少し考える素振りをして、フェーヂャに答えた。正直、答えは明白であったが。



「此の儘で。此処が少し好きになってしまいました。…貴方もそうでしょう？」

「ええ。同意見です」



元より私達2人共、 " 退屈 " で " 詰らない " 毎日は好きではない。

こう考えると、ジェイドくんとフロイドくんを思い出す。彼等もそうだった。



『山登りぃ？そんなつまんねーことやだ！！ペンギンちゃん、オレと一緒にパルクールしに行こ！』

『おやおや、つまらないとは悲しいものです。しくしく。Aさん、採れたてキノコで作ったシチューはいかがでしょう？』




「………A？」



名前を呼ばれてハッとして顔を上げると、フェーヂャは訝しげに私を見ていた。



「す、すみません」

「……いいえ、大丈夫ですよ。あの世界のことを思い出していたのですか？」

「…は、はい」

「其れは其れは…」

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