118話 ページ22
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そんな日々が続き、彼等が元の姿に戻ったのは1週間後の事だった。
朝起きて水槽を確認すると、水槽があった場所にはガラス片が散らばり、水浸しになっていた。
勿論稚魚の姿は見えない。
寝起きでぼんやりとしていた頭が一気に覚醒し、必死に隣で寝ているフェーヂャを揺する。
「フェーヂャ…!ち、稚魚達が……!!」
「ど〜したのぉ、ペンギンちゃん」
最近聞いていた声よりも低くなったトーンが聞こえて振り返ると、フェーヂャのシャツとズボンを着たフロイドくんが立っていた。
「あ、これぇ?戻った時に服無かったからさ。ペンギンくんの借りちゃった」
「………………そうですか」
あ、フェーヂャから不穏な気配がする。
其の場の空気を紛らわせるように、私はジェイドくんは?と質問をした。
「ジェイドは今ね、オレの制服とマジカルペン取りに行ってるの。どーお?似合う?」
「ええ、似合いますが…よく入りましたね」
「うん。ちょっとキツいけどへーき」
フロイドくんの身長は191cm。
180cm代のフェーヂャのシャツとズボンは袖が短いようだ。筋肉質な体型もあって、少しパツパツして苦しそうにいる。
「ええと、今魔法で大きくしますね」
「おや、そんなことも出来るようになったんですね」
「最近覚えました」
マジカルペンを一振りすると、忽ちシャツとズボンはゆとりを見せた。
「失礼します。フロイド、荷物をお持ちしましたよ」
「あ、ジェイド。見て見てぇ、ペンギンちゃんに大きくしてもらったんだぁ」
「それはそれは…。ありがとうございます。勝手にお借りしてしまいまして申し訳ありません。フロイドに全裸のままいろと言う訳にもいかなかったので…」
「私は構いませんよ。大きい弟が出来たようで可愛らしいです。ですよね、フェーヂャ?」
「可愛いかどうかは置いて、ぼくも別にいいですよ」
「え〜?オレ弟なのぉ?」
ま、オレはペンギンちゃんの弟なら喜んでなるけどぉ。と腰に腕を回し、私の首元に顔を埋めた。
「ぼくとしては可愛い年下はAだけで充分なのですがね」
「オレもこんな兄ちゃんやだァ。てか、オレがなるならジェイドもペンギンちゃんの弟じゃね?」
「フロイドが楽しそうでなによりです。ねぇ、姉さんと兄さん」
「誰が兄さんですって?」
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月華姫 様からのリクエストでした!!
ありがとうございました!
稚魚可愛いですよね……(ニチャァ)
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瑞稀 - 好きとしか言いようがないっすわ…監督生の言ってることに共感しか湧かないのは何なんすかね…神作ktkr(ありがとうございます) (7月21日 4時) (レス) @page38 id: 0ecff74da0 (このIDを非表示/違反報告)
yuuna(プロフ) - 双子の愛が素晴らしいなと思いました!双子と呪術廻戦のクロスオーバーが見たいです! (2021年3月27日 0時) (レス) id: a73b6209c2 (このIDを非表示/違反報告)
煨(ウズミビ)(プロフ) - → 私自身が片割れになった様な気持ちで読んでいたので余計…笑 何度でも云えますが、本当に素晴らしい作品でした。有難う御座います。 (2021年2月9日 1時) (レス) id: eaf0a1c543 (このIDを非表示/違反報告)
煨(ウズミビ)(プロフ) - 初めまして、つい先程一気読みさせて貰いました。私はtwstは余り詳しく無いのですが、読んでいて迚も楽しかったです。フェーヂャと片割れに関する監督生さんの語り等……所々笑いながら読めて面白かったです。又、自分が二次創作の中の伽羅と云うのが不思議な感覚でした (2021年2月9日 1時) (レス) id: eaf0a1c543 (このIDを非表示/違反報告)
暁郗 - ミ゜ッ(死亡) (2021年1月11日 20時) (レス) id: 14cb33816d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あ〜ちゃん x他1人 | 作成日時:2020年7月24日 0時