【ツイステ × 文スト】魔人の双子の妹は異世界へ飛ばされたようです《2》 (ページ7)

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55話ページ7

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「お久しぶりですね、マレウスさん」

「ん？……ああ、アーシェングロットとシュラウドか」

「ま、まままままれうすし」

マレウス？

「貴方の本名ですか？」

「………マレウス・ドラコニアだ」

ドラコニア、という単語は何処か聞き覚えがあった。

……澁澤龍彦。

6年前の『龍頭抗争』の中心人物であり、つい先月に異能と異能者を切り離してヨコハマを危機へと陥れた人物。

自身の異能である『ドラコニア・ルーム』を使って。

フェーヂャが『罪と罰』と離れた時は本当に驚いた。

かくいう私も『電子海』と離れ、同じ顔が4人並ぶと云うことになった。

骸砦でその様を太宰くんに見られた時はとんでもない顔をされた思い出がある。

「…………どうかしたか、人の子」

「いえ。古い友人を思い出しただけですよ」

澁澤くんも今はこの世にはいない。
……今はと言うか、６年前には既に去っている。

───『中島敦と云う少年の異能が、凡(すべ)ての異能者の欲望を導く異能なのです』

6年前のフェーヂャと私で唆したのだから。

「あの、ツノ太郎さんのままでいいですか？」

「構わない」

私が渾名のままを所望するとツノ太郎さんは一瞬驚いたが、目を伏せて笑った。

「今Aがぼくのことを思い出しました」

「奇遇だね、私も感じたよ」

「太宰くんのは気の所為でしょう。ぼくの愛しい片割れが思い出す筈がありませんし」

「さあ、どうだかね。君のも妹愛(シスコン)から来る幻想だと思うのだけど」

「ははははは」

「ふふふふふ」

…………それにしても、一瞬感じたあの降下感覚の正体はなんだったのだろうか。

Aの身に何かあったのかと考えると、居ても立っても居られない。

大事な大事な片割れ。
愛しい愛しいぼくのたった1人の可愛い妹。

太宰くんがぼくを "妹愛者" だと云うのも否定は出来ない。寧ろそうだ。

ぼくからAを奪おうとするものには容赦は不要。鉄槌を下し、罰を与えるのみ。

今頃Aはどうしているでしょうか。

──もう少しで迎えに行きますからね、A。

「…………何をニヤニヤしているんだい？気味が悪いよ？」

「貴方が知る必要はありません。チェスの続きでもしましょうか」