【ツイステ × 文スト】魔人の双子の妹は異世界へ飛ばされたようです《2》 (ページ17)

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65話ページ17

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次の日、朝起きると私の身体は女へ戻っていた。
少しの安心と、まだ続いてても良かったのに、と云う未練を感じた。

隣で眠っているイデアくんを起こさないようにベッドから抜け出し、顔を洗いに行く。

この世界に来てからはや1ヶ月。
未だに帰れる手がかりは一切掴めていないままだ。

蛇口を捻り、流れ出る冷水に手を浸ける。

朝起きたらフェーヂャがいて、ゴンチャロフが朝食を作ってて。昼頃にはゴーゴリくんが遊びに来る。

そんな楽しい日々が大好きだった。

─この世界の出来事が全て夢だったらどんなに良かったことか。

………なんて、最初の頃は思っていた。

でも、この世界の日々を過ごせば過ごすほど、そんなことは頭から抜け落ちていったのだ。
優しい友人、楽しい会話、飽きない毎日。

帰りたいか、と聞かれれば帰りたいが、何処か後ろ髪を引かれる思いをするのだ。

蛇口を締め、顔をタオルで拭く。
正面の鏡を見ると、ぼんやりとした顔が映っていた。フェーヂャと全く同じ顔。

──この鏡がヨコハマと繋がっていたらいいのに。

鏡に映った顔は恨めしそうな表情を浮かべる。

「……A氏、おはよ…………」

「… Доброе утро(おはようございます)、イデアくん。起こしてしまいましたか？」

「ううん。……目が覚めたらA氏いないから」

「………そうでしたか」

イデアくんはまだ眠そうな瞼を擦る。
蒼炎の髪に寝癖が跳ねていた。

私も支度をしなければ。

「おはよぉ、ペンギンちゃん♡」

「Доброе утро(おはようございます)、皆さん。」

朝食を食べに食堂へ行くと、オクタヴィネルの3人組に遭遇した。

フロイドくんは相変わらず抱き着くのが好きなようで、人懐っこく擦り寄って来る。

「Aさんのお身体、元に戻ったんですね。良かったです」

「ええ。朝起きたら戻っていました」

そう言うと、安心したようにジェイドくんとアズールくんは微笑んだ。

「やっぱペンギンちゃんは柔けぇ方がいいなぁ」

「おや。もしまた男体化して、元に戻らなかったらどうするのですか？」

「………………オレはそれでも好きだけど」

「ふふふ」