45話 ページ46
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夕食後、部屋に戻った私達はベッドの上でカードゲームやビデオゲームをプレイし、そして極東の国に古くから伝わるホラー映画を観た。
井戸から出てくるサダコという女性と、カヤコという女性の映画の計2本。
意外だったのは、フロイドくんが多少怖がりだったことだ。私に縋り付き、彼女達の登場演出に肩を震わせ悲鳴を上げていた。
「あ゙ー…怖かったぁ。ペンギンちゃんなんであんなの平気だったの?」
「フィクションだということはわかっていたので」
「フロイドが変に怖がりなだけですよ」
「ジェイドくんも偶に私の手を握ってきましたけどね」
やはり海にはホラーという概念は無かったのだろうか。ただ単にこの二人が怖がりなだけだからか。
「…あ、そうだ。ペンギンちゃん」
何かを思いついたのか、フロイドくんはタレ目の瞳を細める。
「今からラウンジの方行かね?見せたいモンあんだけど」
「見せたいもの…ですか」
「ええ。きっと貴女も驚くことでしょう」
「それは気になりますね。是非行きたいです」
行きたい趣旨を伝えるとフロイドくんが私の手を握り、部屋を飛び出して行ってしまった。
手を繋いでいるから私ごと引っ張られて、夜のオクタヴィネル寮の廊下を全力疾走する。
彼にとっては最高のスピードとは言えないが、運動が得意とは言えない私の身体では充分に速かった。
「そんなに見せたいものなんですか?」
「うん」
前に来た時は昼間だったが、夜のラウンジ内はとても幻想的だった。
巨大な水槽が良く見える席に座らされる。
「じゃ、ここで待っててねぇ」
果実と砂糖を煮つめてシロップを混ぜたジャムのように甘く囁いた彼は部屋から出て行き、ラウンジ内には私だけとなった。
水槽はキラキラと光の粒子が舞っている。
色とりどりな熱帯魚たちは泳ぎ回り、神秘的な空間を創り出していた。フェーヂャにも見せたいものだ。
ゆらり、ゆらゆら
水槽に見蕩れていると、大きく細長い魚影が2本上を横切った。
ソファからおもむろに立ち上がり、水槽に近づく。
水槽の中の熱帯魚たちは逃げ惑っているようだった。
そして、その魚影はゆっくりと私の元へやって来る。
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明日羽(プロフ) - 22話「ナンヨウハギ先輩」と書いてありますが、イデア君のことを言っているなら「ホタルイカ先輩」ではないですか?意図的にやっていたらすみませんm(_ _)m (2022年8月24日 21時) (レス) @page23 id: 671ce2cf6e (このIDを非表示/違反報告)
あかさたな - かなり前からこの作品見てますもう尊すぎです…今更なんですけどツイステって中学じゃなくてミドルスクールだったような気がします。ツイステマジで初心者なので間違っていたらすみません… (2022年1月16日 11時) (レス) @page41 id: 2a968727d8 (このIDを非表示/違反報告)
暁郗 - ぴぃやああああああああああああああああああ無理、無理、兄弟愛尊いよぎぃやあああぁああぁぁあぁぁあああぁぁああああぁあ。 好きです。 (2021年1月11日 16時) (レス) id: 14cb33816d (このIDを非表示/違反報告)
あ〜ちゃん(プロフ) - そらちゃんです!!さん» うわああああああああああありがとうございますううううううう(歓喜) (2020年6月28日 16時) (レス) id: 9c71528097 (このIDを非表示/違反報告)
そらちゃんです!!(プロフ) - うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおすきですうううううううううううううううううううう、!!!!!特にユウの絡みが好きです! (2020年6月28日 10時) (レス) id: c4f3cb5b0b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あ〜ちゃん x他1人 | 作成日時:2020年6月16日 22時