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3話 ページ4

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「………………!」



薄らと隈があるものの白いくて柔らかそうな肌。それに対照的な黒曜石のようなサラリとした肩までの髪。伏せられた長いまつ毛。桜色の唇。


とても不謹慎かもしれないが、美しいと思ってしまった。


更に胸元には男が本来持たないはずの膨らみを持つ物があった。これが何を指してしるのかは安易に理解が出来た。



「お、お、おにゃのこ…………!?」



僕の二次元への欲求と三徹が繰り広げた妄想かと思った。が、これはれっきとした現実なことは彼女の手の僅かな暖かみで自覚させられた。



男ならまだしも、華奢な女の子。

こんな所で朝見つかるまで放置していたら。
もし見つけたのが野蛮な男だったら。

恐らくこの子にとって最悪な結果が待っているだろう。それは心底可哀想だ。

D男子は女性には優しいのだ。



…一先ず、僕の部屋まで運んであげよう。保健室も今は閉まっているし。


女の子の軽くて細い身体を抱き上げる。
まさか僕みたいなキモオタ陰キャが可愛い女子を姫抱きするなんて微塵も想像つかなかった。


バクバクと心臓が暴れながらも僕の部屋へと向かった。生憎、今のイグニハイド寮に空き部屋なんて無い。安全を確保しながら預けるには僕の部屋しかないのだ。



──────────────────


「……よいしょっと…」


彼女が身に纏っていた白い帽子を枕元に置き、ブーツと黒い外套を脱がして僕の青いベッドに寝かせる。

脱がせたことに決して邪な意味は無くて、ただ寝苦しそうだと思ったから。


最初は見て見ぬふりして逃げようとか思っていたのに、初対面の人間にどうしてここまでやってあげてるんだろう。

面倒事に巻き込まれるなんて真っ平御免なのに。


ま、どこか知らない部屋で女の子1人目覚めるなんて不安だろうしね???拙者優しすぎ草生えますわー。


結露で少し濡れた緑色の魔剤の缶を開けて、僕は脳死周回の続きへと勤しんだのだった。


明日、この子を連れて学園長のとこにでも行こう。
行きたくないけど。

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明日羽(プロフ) - 22話「ナンヨウハギ先輩」と書いてありますが、イデア君のことを言っているなら「ホタルイカ先輩」ではないですか?意図的にやっていたらすみませんm(_ _)m (2022年8月24日 21時) (レス) @page23 id: 671ce2cf6e (このIDを非表示/違反報告)
あかさたな - かなり前からこの作品見てますもう尊すぎです…今更なんですけどツイステって中学じゃなくてミドルスクールだったような気がします。ツイステマジで初心者なので間違っていたらすみません… (2022年1月16日 11時) (レス) @page41 id: 2a968727d8 (このIDを非表示/違反報告)
暁郗 - ぴぃやああああああああああああああああああ無理、無理、兄弟愛尊いよぎぃやあああぁああぁぁあぁぁあああぁぁああああぁあ。 好きです。 (2021年1月11日 16時) (レス) id: 14cb33816d (このIDを非表示/違反報告)
あ〜ちゃん(プロフ) - そらちゃんです!!さん» うわああああああああああありがとうございますううううううう(歓喜) (2020年6月28日 16時) (レス) id: 9c71528097 (このIDを非表示/違反報告)
そらちゃんです!!(プロフ) - うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおすきですうううううううううううううううううううう、!!!!!特にユウの絡みが好きです! (2020年6月28日 10時) (レス) id: c4f3cb5b0b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あ〜ちゃん x他1人 | 作成日時:2020年6月16日 22時

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