24話 ページ25
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その後私はジェイドくんの手料理を食べた。
私のピロシキにはキノコがぎっしり詰まっていて、フロイドくんには信じられない物を見る目で見られた。
ジェイドくんがウキウキしながら「どうでした?」と感想を求めてきたから、「とても美味しかったですよ」と返す。よほど嬉しかったのか、頬を紅く染めて口角を上げていた。
「………おや、もうこんな時間だ。ジェイド、フロイド。開店の準備をしますよ」
「えぇー!?ヤダ、オレもっとペンギンちゃんと一緒にいたいんだけどぉ」
彼はヤダヤダと駄々っ子のように私から離れようとしない。
「では、Aさんをイグニハイド寮へ送って行くのはどうですか?僕とアズールは先にラウンジにいるので」
「マジ!?サンキュージェイド!んじゃ、行こっかペンギンちゃん」
「はい。お邪魔しました。
フロイドくんに手を引っ張られて私は部屋を出た。
「…だすびだーにゃってなぁに?」
「私の母国の言葉ですよ。さようなら、また会いましょうという意味があります」
「へぇ〜。……そうだ、ペンギンちゃん」
何か思いついたのか、歩く速度はそのままに彼は私を見つめる。
「ペンギンちゃんさぁ、人魚とか海に興味無い?」
「人魚………?」
人魚までもがこの世界には実在するのか。
「ええ。人魚も見たことがないですし、海も入ったことがないです」
「マジで!?」
ロシアなんかの海に入ったら、寒くてそれどころではないだろう。ヨコハマの港で海は見た事がある程度だ。
「…ふぅん。今度見せてあげよっか?」
「本当ですか?是非お願いします」
「あはっ。ペンギンちゃんは特別だから、タダで見せてあげるね?」
「フフ、楽しみにしていますね」
人魚なんて、私がいた世界では伝説の生き物と呼ばれているものだ。フェーヂャに見せたらどんな反応をするんだろうか。
「さ、着いたよ」
話していたらあっという間にイグニハイド寮へ帰ってきた。
「
「すぱしーば?……………あ、えーと」
「?」
フロイドくんは何かを考える素振りをした。が、すぐに思い出したようで口を開く。
「だすびだーにゃ、ペンギンちゃん」
「!………
ふわっと笑った彼の顔は、子供のような無邪気さがあった。私もつられて笑い返し、彼は鏡へと帰っていった。
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明日羽(プロフ) - 22話「ナンヨウハギ先輩」と書いてありますが、イデア君のことを言っているなら「ホタルイカ先輩」ではないですか?意図的にやっていたらすみませんm(_ _)m (2022年8月24日 21時) (レス) @page23 id: 671ce2cf6e (このIDを非表示/違反報告)
あかさたな - かなり前からこの作品見てますもう尊すぎです…今更なんですけどツイステって中学じゃなくてミドルスクールだったような気がします。ツイステマジで初心者なので間違っていたらすみません… (2022年1月16日 11時) (レス) @page41 id: 2a968727d8 (このIDを非表示/違反報告)
暁郗 - ぴぃやああああああああああああああああああ無理、無理、兄弟愛尊いよぎぃやあああぁああぁぁあぁぁあああぁぁああああぁあ。 好きです。 (2021年1月11日 16時) (レス) id: 14cb33816d (このIDを非表示/違反報告)
あ〜ちゃん(プロフ) - そらちゃんです!!さん» うわああああああああああありがとうございますううううううう(歓喜) (2020年6月28日 16時) (レス) id: 9c71528097 (このIDを非表示/違反報告)
そらちゃんです!!(プロフ) - うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおすきですうううううううううううううううううううう、!!!!!特にユウの絡みが好きです! (2020年6月28日 10時) (レス) id: c4f3cb5b0b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あ〜ちゃん x他1人 | 作成日時:2020年6月16日 22時