18話 ページ19
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胡散臭い笑顔を浮かべたメガネの男は自らをアズール・アーシェングロットと名乗った。
「……17歳にして寮長とカフェの支配人を務めているのですか。立派なことです」
「お褒め頂き光栄です。Aさん」
本心が見えず、腹の底を探られるような感覚は太宰くんとの会話にどこか似ていた。
「ペンギンちゃん、何か悩み事とかはあるの?」
「………悩み事、ですか」
「転校してすぐです。きっと悩み事の一つや二つはあるでしょう。良かったら僕達に教えて頂けませんか?」
フロイドくん、ジェイドくんに続き、この僕に相談すればすぐに解決出来ますよ、とアズールくんは言った。
「そうですか。ではお言葉に甘えて」
双子の兄弟が私の左右に座る。
「私の部下は指示待ちばかりで自主性に欠けます。どうすれば自ら動く優秀な部下になるでしょう?」
「ぶ、部下?」
「ええ、部下ですよ。この悩みはきっと私の兄も同じく悩んでいる気がするので、元の世界に帰った時に伝えようと思いまして」
「ペンギンちゃんも別の世界から来たのぉ!?」
私の悩みに彼等は目を丸くした。
「部下ということは…貴女、仕事でもしていたのですか?」
「そうです。この世界に来た衝撃で身体の年齢が18に戻ってしまいましたが、本来は20をとっくに超えていますよ」
私の年齢暴露にまたもや彼等は驚いたようで、鳩が豆鉄砲をくらったような顔をしていた。
「ペンギン "ちゃん" じゃなくてペンギン "先輩" じゃーん…」
「呼びやすい方で結構ですよ」
「じゃあペンギンちゃんのままにする〜」
砂糖菓子を煮詰めたような声色で、右に座っていたフロイドくんが寄りかかってくる。正直重い。
「……それで、ご返事の方を頂きたいのですが」
「あ…、そうでしたね」
アズールくんは考える素振りをする。
すると、左に座ったジェイドくんが口を開いた。
「毎日何もせずぐうたら怠けていれば、このままでは拙いと思った部下が勝手に努力しだすのではないでしょうか」
「……ふむ。なるほど」
私達の部下は決して怠けている訳では無い。……プシュキンの方は微妙なラインだけど。
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明日羽(プロフ) - 22話「ナンヨウハギ先輩」と書いてありますが、イデア君のことを言っているなら「ホタルイカ先輩」ではないですか?意図的にやっていたらすみませんm(_ _)m (2022年8月24日 21時) (レス) @page23 id: 671ce2cf6e (このIDを非表示/違反報告)
あかさたな - かなり前からこの作品見てますもう尊すぎです…今更なんですけどツイステって中学じゃなくてミドルスクールだったような気がします。ツイステマジで初心者なので間違っていたらすみません… (2022年1月16日 11時) (レス) @page41 id: 2a968727d8 (このIDを非表示/違反報告)
暁郗 - ぴぃやああああああああああああああああああ無理、無理、兄弟愛尊いよぎぃやあああぁああぁぁあぁぁあああぁぁああああぁあ。 好きです。 (2021年1月11日 16時) (レス) id: 14cb33816d (このIDを非表示/違反報告)
あ〜ちゃん(プロフ) - そらちゃんです!!さん» うわああああああああああありがとうございますううううううう(歓喜) (2020年6月28日 16時) (レス) id: 9c71528097 (このIDを非表示/違反報告)
そらちゃんです!!(プロフ) - うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおすきですうううううううううううううううううううう、!!!!!特にユウの絡みが好きです! (2020年6月28日 10時) (レス) id: c4f3cb5b0b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あ〜ちゃん x他1人 | 作成日時:2020年6月16日 22時